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2章
第43話
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「ぃよし到着~!」
「や、やっとですか…。足を地面につけることを幸福に思います。」
既に陽菜ちゃんはクタクタのようだ。結構余裕なかったからしんどいんだろうな。
「何回か乗ればなれると思うんだけどな~。」
「何回も乗るんですか!?」
こんな調子で帰りは大丈夫なのだろうか?帰りもバイクだと言うのに…。
少しの間落ち着くまでは駐車場から動かず陽菜ちゃんが元通りになるまでじっとしていた。俺も早く回復して欲しいから背中をさすったりしていたぞ。
「もう大丈夫です!さて、行きましょう!」
「うぉっ!ちょっ!」
急に元気になった陽菜ちゃんは俺の手を引っ張って入口まで向かった。あまりに急だったので結構驚いた。まぁ、昨日に比べればまだ軽い。トラブルがないからな!
「あ、入場料は俺が払うからな。」
「えっ?いいんですか?自分の分は払いますよ?」
「これも家庭教師の一環だ。それにさすがに年下の中学生に金を払わすなんて出来ねぇわ。」
「で、でもお母さんからお金もらいましたし…。」
「アホ」
「痛っ!」
俺は陽菜ちゃんのおでこに少し強めにデコピンをする。
「こういう時ぐらい先輩である俺を頼れ。それに後輩の女の子に金を払わすなんて俺のプライドが許さないんだよ。だからまぁ、俺のプライドを守るためにも払わせてくれ。」
「うっ…。ちょっとその言い方ズルくないですか?そう言われたらどうしようもないじゃないですか…。」
「それが大人だ。」
これが同級生や年上だと話は変わるがな。北風や陽だと基本割り勘だし。まぁ、北風の場合は譲らなかったという方が正しいが。それにバイトもできない中学生に金を払わすなんてできるはずがないだろ。
「次の方~!」
「呼ばれたな。ほら、行くぞ。」
「…私はもう子供じゃないんですよ……。」
「…?何か言ったか?」
「なんでもないです。ほら行きましょう?」
また俺は腕を陽菜ちゃんに引っ張られて受け付けの元に向かった。
「おふたりですね。2000円になります。」
俺は財布から1000円札を2枚取りだし受付の人に渡す。…少し予想より高いなぁと思ってしまった。まぁバイトを2つ掛け持ちしてる俺には大したことないが。
「素敵な彼氏さんですね~。デート、楽しんでくださいね~。」
「彼…!?は、はい!ありがとうございます!」
「あはは…。」
カップルに間違えられたまま愛想笑いで受け付けを済ました。陽菜ちゃんが否定しなかったので俺も否定できなくなってしまった。間違えられただけなので大したことないけど。
「せんぱ~い!私たちカップルに見間違えられましたよ?やっぱり傍から見たらそう見えるんですかね~?」
「クリスマスに男女が2人で出歩いていたらそう見えるだろ。」
「先輩は私とカップルに間違われてどうですか?」
なんという難しい質問…!この場合どう答えるのが正しいんだ?「嬉しい」といえば家庭教師としての俺の立場が危ぶまれそうな気がするし、逆に「嬉しくない」といわれればそうではない。俺もイルミネーションは楽しみにしている。ここからじゃまだ遠目でしか見えないけど。
「そうだな~。まぁ将来の陽菜ちゃんの彼氏に悪いとは思ってるよ。」
結果、逃げに走る。あたりざわりのない答えでさっさと話を切る。
「そういうことじゃないんですけど?「嬉しい」「嬉しくない」の二択でお願いします♪」
逃げきれなかったか…。屈託のない笑みを浮かべて再度俺に同じ問いかけを行う。今度は逃げ切ることは出来ないだろう。
「……嬉しいよ。今まであんまり友達とか居なかったからな。」
俺にも彼女が欲しいと思うことはある。ただそのための努力とかはしてない。する気もない。なので努力してまで欲しいとは思っていない。別に今のままでも十分満足している。ただやはり陽達を見ていると羨ましいと思うことはある。なのでやはりこうして誰かとどこかへ出かけるのは楽しい。
「そうですか♪それは良かったです。」
楽しそうな笑顔を浮かべながら隣で陽菜ちゃんが歩く。そしてとうとうイルミネーションが見えてきた。
「わぁぁ!綺麗ですねー!見てくださいよ、コレ!」
「…あぁ、そうだな……。こんなにも綺麗だとは……。」
圧巻された。最後にイルミネーションを見たのは10年ぐらい前だったので、あまり覚えていないこともあって柄にもなく感動してしまった…。いや、普段から感動することもあるから柄にもなくってことはない……か?
「…?感動してるんですか?」
「まぁな…。あんまりこういうのって見たこと無かったからな。」
「あ…雪…。」
「おぉ…。ほんとだ。幻想的だなぁ。」
イルミネーションを見ていると空から雪が降ってきた。イルミネーションの光と落ちてくる雪が相まってとても綺麗だ。夢の世界にいるような気持ちになるな。
「そうですね♪あ!先輩!あっちに行きましょう!」
「ちょっ!走るな!それと引っ張るな!」
陽菜ちゃんは俺の腕を掴んだまま走り出す。う~ん、もしかして勉強しかしてないせいで運動不足なのかもしれない。今度は陽でも誘って運動するか。まぁ、陽菜ちゃんが楽しそうならそれでいいんだが。
「や、やっとですか…。足を地面につけることを幸福に思います。」
既に陽菜ちゃんはクタクタのようだ。結構余裕なかったからしんどいんだろうな。
「何回か乗ればなれると思うんだけどな~。」
「何回も乗るんですか!?」
こんな調子で帰りは大丈夫なのだろうか?帰りもバイクだと言うのに…。
少しの間落ち着くまでは駐車場から動かず陽菜ちゃんが元通りになるまでじっとしていた。俺も早く回復して欲しいから背中をさすったりしていたぞ。
「もう大丈夫です!さて、行きましょう!」
「うぉっ!ちょっ!」
急に元気になった陽菜ちゃんは俺の手を引っ張って入口まで向かった。あまりに急だったので結構驚いた。まぁ、昨日に比べればまだ軽い。トラブルがないからな!
「あ、入場料は俺が払うからな。」
「えっ?いいんですか?自分の分は払いますよ?」
「これも家庭教師の一環だ。それにさすがに年下の中学生に金を払わすなんて出来ねぇわ。」
「で、でもお母さんからお金もらいましたし…。」
「アホ」
「痛っ!」
俺は陽菜ちゃんのおでこに少し強めにデコピンをする。
「こういう時ぐらい先輩である俺を頼れ。それに後輩の女の子に金を払わすなんて俺のプライドが許さないんだよ。だからまぁ、俺のプライドを守るためにも払わせてくれ。」
「うっ…。ちょっとその言い方ズルくないですか?そう言われたらどうしようもないじゃないですか…。」
「それが大人だ。」
これが同級生や年上だと話は変わるがな。北風や陽だと基本割り勘だし。まぁ、北風の場合は譲らなかったという方が正しいが。それにバイトもできない中学生に金を払わすなんてできるはずがないだろ。
「次の方~!」
「呼ばれたな。ほら、行くぞ。」
「…私はもう子供じゃないんですよ……。」
「…?何か言ったか?」
「なんでもないです。ほら行きましょう?」
また俺は腕を陽菜ちゃんに引っ張られて受け付けの元に向かった。
「おふたりですね。2000円になります。」
俺は財布から1000円札を2枚取りだし受付の人に渡す。…少し予想より高いなぁと思ってしまった。まぁバイトを2つ掛け持ちしてる俺には大したことないが。
「素敵な彼氏さんですね~。デート、楽しんでくださいね~。」
「彼…!?は、はい!ありがとうございます!」
「あはは…。」
カップルに間違えられたまま愛想笑いで受け付けを済ました。陽菜ちゃんが否定しなかったので俺も否定できなくなってしまった。間違えられただけなので大したことないけど。
「せんぱ~い!私たちカップルに見間違えられましたよ?やっぱり傍から見たらそう見えるんですかね~?」
「クリスマスに男女が2人で出歩いていたらそう見えるだろ。」
「先輩は私とカップルに間違われてどうですか?」
なんという難しい質問…!この場合どう答えるのが正しいんだ?「嬉しい」といえば家庭教師としての俺の立場が危ぶまれそうな気がするし、逆に「嬉しくない」といわれればそうではない。俺もイルミネーションは楽しみにしている。ここからじゃまだ遠目でしか見えないけど。
「そうだな~。まぁ将来の陽菜ちゃんの彼氏に悪いとは思ってるよ。」
結果、逃げに走る。あたりざわりのない答えでさっさと話を切る。
「そういうことじゃないんですけど?「嬉しい」「嬉しくない」の二択でお願いします♪」
逃げきれなかったか…。屈託のない笑みを浮かべて再度俺に同じ問いかけを行う。今度は逃げ切ることは出来ないだろう。
「……嬉しいよ。今まであんまり友達とか居なかったからな。」
俺にも彼女が欲しいと思うことはある。ただそのための努力とかはしてない。する気もない。なので努力してまで欲しいとは思っていない。別に今のままでも十分満足している。ただやはり陽達を見ていると羨ましいと思うことはある。なのでやはりこうして誰かとどこかへ出かけるのは楽しい。
「そうですか♪それは良かったです。」
楽しそうな笑顔を浮かべながら隣で陽菜ちゃんが歩く。そしてとうとうイルミネーションが見えてきた。
「わぁぁ!綺麗ですねー!見てくださいよ、コレ!」
「…あぁ、そうだな……。こんなにも綺麗だとは……。」
圧巻された。最後にイルミネーションを見たのは10年ぐらい前だったので、あまり覚えていないこともあって柄にもなく感動してしまった…。いや、普段から感動することもあるから柄にもなくってことはない……か?
「…?感動してるんですか?」
「まぁな…。あんまりこういうのって見たこと無かったからな。」
「あ…雪…。」
「おぉ…。ほんとだ。幻想的だなぁ。」
イルミネーションを見ていると空から雪が降ってきた。イルミネーションの光と落ちてくる雪が相まってとても綺麗だ。夢の世界にいるような気持ちになるな。
「そうですね♪あ!先輩!あっちに行きましょう!」
「ちょっ!走るな!それと引っ張るな!」
陽菜ちゃんは俺の腕を掴んだまま走り出す。う~ん、もしかして勉強しかしてないせいで運動不足なのかもしれない。今度は陽でも誘って運動するか。まぁ、陽菜ちゃんが楽しそうならそれでいいんだが。
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