上 下
11 / 92
1章

第10話

しおりを挟む
「いらっしゃいませ~」

今日は土曜日ある。と言っても修学旅行の代休なので、関係ないって言ってしまえばそれまでだが。部活はなにもしてない俺だが、バイトはしている。家から徒歩5分ぐらいのコンビニで、時給もよいので速攻で決めた。当然だが、バイト中は前髪を上げている。


あの修学旅行から3日が経過していた。あれ以降、特に変わったことは無い。


午前中だけ観光を行った。それだけ終わると荷物をまとめてバスに乗った。席は、行きと同じなので北風と同じ号車だ。


俺と陽は早めにバスに乗っていた。その時雨宮さんともすれ違い、

「…やっほー、陽、荒木くん」

「お疲れ様、雨宮さん」

「おー、海咲じゃん。どうした?」

「…修学旅行疲れた。だから、陽と一緒に晩御飯食べたい。」

「おぉーいいね、いいね!行こうぜ!どこに行く?」

「…着いてから決めたい。」

「了解!」

そんなお二人のお熱いトークを間近で聞いて、砂糖を吐きそうだった。


非リアにはきつい…


やはり、最後に乗ってきたのは北風たちだった。その時に一瞬北風と目が合った気がしたが、気の所為だろう。後ろの男子が、「おい、今北風さん俺の方見たぜ!目、あったもん!」「いや、俺だろ!」と騒いでいたので、間違いないだろう。


バスが出発すると、陽はすぐに眠ってしまった。北風達は修学旅行のことで騒いでいたが、俺は行きのバスほど居心地が悪くなかった。


そんな修学旅行5日目の出来事を思い出していると、また客が入ってきた。

「いらっしゃいませ~」

そう言って営業スマイルを貼り付けて、レジで接客する。



「お疲れ様~」

「お疲れ様です。店長!」


「元気だな。あ、そうだ荒木くん。余り物持ってきたから持って帰ったら?」

バイトがおわり、帰ろうとすると店長からそんな嬉しい提案が降ってきた。

「本当ですか!?ぜひ、お願いします!」

「そこにあるから好きなの持って帰っていいよー」

店長が指さす方を見て、何を持って帰るか選んだ。


「それではこの弁当を貰いますね。」

「はいよ~。あ、明日はバイトが休みだからね?間違えないでよ。」

「わかっています。それではお疲れ様でした。」


そう言って帰路に着くことにした。


家に帰って、弁当を食べ、数学の課題をしていると電話がかかって来たので、携帯をとり確認すると陽からだった。珍しいな…と思いつつも出ることにした。


「もしもし、どうしたんだ陽。」

『おぉーでたでた。悪いな~神楽。もしかして弁当でも食ってたか?』

「勉強中だ。」

『相変わらず…だな。まぁいい。そんなことよりさぁー明日の予定ってあるー?』

明日はバイトも休みだし、特に用事はない。

「いや、バイトもないし大丈夫だ。なんか用事でもあるのか?」

『おぉ~、それなら良かった。明日アオンホールに来れるか?』

「別に行けるが、何するんだ」

『あぁ~、向こうに着いてから教えるよ。』

「なんで秘密にする必要があるんだよ。今教えろよ!」

『秘密にしといた方が面白いだろ?そんじゃ金だけ持って1時に集合な~。遅れんなよ!』


あっ!切りやがった…まぁ、いい。どうせ明日になったらわかるんだ。気にすることでもないだろ。そう思い、寝ることにした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Side 川野陽


くぅふふ、まんまと引っかかりやがったな。神楽のやつ。計画通りだ。


明日のあいつの驚く顔が見に浮かぶぜ!

海咲からの頼みで、あ・の・人・の願いを叶えてやったんだ。恨むなよ、神楽?


いや~、それにしてもたのしみだなぁ、明日。


1時に集合にしといたから、1時半までには俺に電話が来るだろう。今からなんて言っやるか考えとくか~。


そう考えながら、俺は眠った。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

美少女幼馴染が火照って喘いでいる

サドラ
恋愛
高校生の主人公。ある日、風でも引いてそうな幼馴染の姿を見るがその後、彼女の家から変な喘ぎ声が聞こえてくるー

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?

おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。 『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』 ※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。

恋人の水着は想像以上に刺激的だった

ヘロディア
恋愛
プールにデートに行くことになった主人公と恋人。 恋人の水着が刺激的すぎた主人公は…

処理中です...