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旅立ち8(過去編②)
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「いくぞ」
猿女に連れられて着いたのは、洋風の建物だった。
地下へと続く階段を降り、薄暗い空間にたどり着く。
石造りの寒い部屋だ。
そこで待っていたのは、吉備津桃寿郎だった。
「よく来たね」
「…桃寿郎」
「ここなら思う存分刀を振れる」
「……」
「君はもう完全な鬼になったかな?」
小太郎が、猿女の手から逃げようと暴れると、首輪が締まった。
「ぐあっ!」
小太郎は首輪を外そうともがく。
「カハッ…ハッ…ヒュ…息が…」
「あれ? 呼吸がおかしいみたいだ」
桃寿郎が淡々と言う。小太郎は、意識を失って倒れた。
「あれ? 倒れちゃった。今のうちにトドメさしちゃうか」
桃寿郎が破鬼の剣を小太郎の体に突き刺した。
「ぐぁ‼︎」
一瞬目を覚ました小太郎。血を吐いた後、また意識を失くした。
「あれ?」
刀はまたも穢れた。
「あれれ? まだ人間との中間なんだ」
桃寿郎は小太郎を覗き込む。
「心臓刺したつもりだったけど、ずれちゃったか。半分鬼だからかな、少しずつ傷塞がってくね」
「どうしますか?」
「とりあえず牢屋に閉じこめておいて」
猿女に連れられて着いたのは、洋風の建物だった。
地下へと続く階段を降り、薄暗い空間にたどり着く。
石造りの寒い部屋だ。
そこで待っていたのは、吉備津桃寿郎だった。
「よく来たね」
「…桃寿郎」
「ここなら思う存分刀を振れる」
「……」
「君はもう完全な鬼になったかな?」
小太郎が、猿女の手から逃げようと暴れると、首輪が締まった。
「ぐあっ!」
小太郎は首輪を外そうともがく。
「カハッ…ハッ…ヒュ…息が…」
「あれ? 呼吸がおかしいみたいだ」
桃寿郎が淡々と言う。小太郎は、意識を失って倒れた。
「あれ? 倒れちゃった。今のうちにトドメさしちゃうか」
桃寿郎が破鬼の剣を小太郎の体に突き刺した。
「ぐぁ‼︎」
一瞬目を覚ました小太郎。血を吐いた後、また意識を失くした。
「あれ?」
刀はまたも穢れた。
「あれれ? まだ人間との中間なんだ」
桃寿郎は小太郎を覗き込む。
「心臓刺したつもりだったけど、ずれちゃったか。半分鬼だからかな、少しずつ傷塞がってくね」
「どうしますか?」
「とりあえず牢屋に閉じこめておいて」
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