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ガールズトーク PART1
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タ食をいただいた私と菜緒ちゃんは、二階へ上がって彼女の部屋に入った。
制服に皺が入るからと、貸してもらった菜緒ちゃんのパジャマヘ着替えた。胸とかお尻がやっぱりきついかな。
菜緒ちゃんが育ち盛りだから、大きめなのを新しく買ったっておばさんは仰られたけど、部屋を出る時にはカーディガンでも羽織ろう。
「やっぱりミズキちゃんには小さいよねー。それでニイニイを悩殺しちゃう?」
「もう、何言ってるの!」
勉強机の椅子の背もたれを前にして座った菜緒ちゃんの言葉に少しドキドキしながら、目の前にあったピンクのクッションを抱いてベッドの端へ腰を降ろした。
「みんなはひさしぶりだけど、ナオとは二月振りだよね」
「お願い、黙っててね」
「えー、どーしよっかなー」
得意そうに腰掛けた椅子をクルクルとさせる小学生へ、必死になって頼みこむ高一の私って何だか情けない。
菜緒ちゃんは五つ年下の小学六年生だが、美人のお母さん似なのでとてもかわいらしく、表情もコロコロと変わる。今も大きな目をにんまりと細めて、小学生らしくない笑みを浮かべる。早熟というか、かなりマセている。
そんな彼女に私は弱味を握られてしまっている。
「ミズキちゃん、ニイニイのこと実際どう思ってるの?」
「え、いきなり、何っ」
「ああ見えて、ニイニイって意外とモテるんだよ」
「へ、へー、そうなんだ」
「といってもバレンタインに家族以外からチョコを三、四個もらう程度だけど、大和くんなんかいつもうらやましがってるよ」
大和は私もよく知っている雅久と共通の幼なじみだが、彼は見るからに女の子が放っておかない整った目鼻立ちをしている。雅久よりモテているはずなのに不思議な話だとは思ったけれど、私にはそれどころではなかった。
きっとこのあたりが、菜緒ちゃんを喜ばせるているのだろうとわかりつつ、聞くことを抑えられなかった。
「その三、四コに私も入ってるよね?」
「当たり前じゃん。だってミズキちゃんのが一番大きいけど家族じゃないしー」
「……差出人が私って気づいてる?」
「わかるわけないよ! たまたまポストヘ入れるのをナオは見たから知ってるけど、ずっと送り主不明のチョコだよ? それでも首をひねりながらニイニイが食べてるのは、妹としては微妙だけど」
「よかった、捨てられてないんだ……」
「普通は怪しいから食べないと思うけど、悲しいかな、すっかりオタだからね。ミズキちゃんが、実は女の子って知ったら、ニイニイどうするかなー」
「それも気づいてないんだよね……」
チョコを食べてくれていたことはとても嬉しい。
だって捨てられていてもおかしくないのだから。
でも私が女の子と気づいてもらえていないのは結構悲しい。
今日の私はすごく気合いを入れて来たつもりだった。それこそ昨日から念入りに髪も染め直して、リボンも新調して、スカートの丈もかなり聡ずかしかったけれど頑張って詰めた。
学校からあまり文句を言われないように、わざと廃止前の制服そっくりに作って、他の制服モドキよりお目こぼしを期待して成功させたのもすべては雅久に女の子アピールをするため。
だけど、あいつ、全然っわかってくれない!!
「あのさ、ナオは小っちゃかったからくわしくは知らないけど、どうして男なんて嘘ついたの?」
「……だって女の子とは遊ばないって」
「魔法少女に目覚めてオタになる前の、かっこよかった頃のニイニイなのかなー?」
「そうだ! 雅久がオタクってどういうこと!? 魔法少女に目覚めた!? 何よそれっ」
私の知っている雅久は、絵は確かに上手だったけどオタクではなかった。
彼のお父さんの趣味の写真撮影について行くと、熱中したお父さんに放っておかれる時間が暇だから風景を描くようになった。気がつけばお父さんの写真よりも褒められるようになっていた。
これに気を良くした雅久は、熱中して描き続けどんどん上達していった。
だけどちょうどその頃に私もピアノに夢中になっていて、野球やサッカーをしている男の子たちから、二人揃って女みたいって言われたのよ。
それを嫌がった雅久は、女の子とは遊ばないって言い張って、本当に女の子と一言も口を利かなくなってしまった。
雅久は縣神社で出会った最初から『ミズキ』って名前の響きだけで、私を男の子と勘違いをしていた。
ううん、そうじゃない。私も結構お転婆だったのは認める。だけど私は雅久と遊べないのは絶対に嫌だったから、女の子とは教えなかった。そして現在に至る。
「ナオはお友達の桜ちゃんから聞いただけだけど、そのせいで中学の頃に警察にお世話になったり、空手を始めたりと、いろいろあったらしいよー」
「な、菜緒ちゃんっ、警察って何なの!?」
「話せば長いよー? でも今日はお泊りだし、大丈夫かな」
今さらながら、雅久が空手を始めた理由を聞かされた私は手で耳を覆いたくなった。
彼がオタクの道へ突き進んでいる最初の原因が私にあったことも、頭を抱えたくなった。
小さい女の子は魔法少女に憧れる。私も例外ではなかった。でも雅久のほうは、幼い私に影響されて好きになったと記憶している。
雅久が男の子の友達からからかわれるせいで女の子とは遊ばなくなり、私も女の子とあまり遊べなくなった。その不満を紛らわすのに私が魔法少女物に夢中になって、恥ずかしがる雅久も巻き込んだ。
菜緒ちゃんのおかげで、雅久のことを改めて知ることができたのはよかったけれど、私に何かできることはあるのだろうか。などと人のことを気に懸けられるほど自分に余裕がないのを忘れてはいけない。だけどやりきれない想いが胸の中をグルグルと駆け巡る。
「どれもこれも昔のことでしょう! いい加減伝えたらいいじゃない?」
「い、いまさら言えないよー」
「ママは、ミズキちゃんが自分で伝えるまで黙ってるって言うけど、パパは完全に面白がってるよ?」
「わかってるけど……無理だよ」
だって男同士の秘密だぞって、他の男の子の秘密とか片想いの初恋とか、他人には知られたくない話も多かったのだから。
やっぱりこのあたりの話が続くのは少し厳しいな。ちょっとズルいけど変えさせてもらおう。
「それより菜緒ちゃんは、誰か気になっている男のコっているの?」
「や、やだなー、いないよー」
「えー、そうなの? 本当に?」
「う、うん」
どうやらいるみたいね。
すっかりモジモジとして、さっきまでの饒舌はどこへやら。
思ったとおりマセてるわ。でも私なんか幼稚園の頃から雅久が好きなのだから人のことは言えないか。
「じゃあ、できたら教えてよね。私だけ知られてるのって、何だか不公平だし」
「それはミズキちゃんが悪いからナオは知らないー。それよりさー」
苦手な話題が終わって元気を取り戻した菜緒ちゃんは、次々と思ったことをしゃべり始めた。
頑張っているクラブの陸上のことや、二学期になって慣れてきた英語の授業。もうすぐ行ける修学旅行のことなど、たわいもない話をしているうちに寝ついてしまった。
晩ご飯も遅かったし仕方ないけど、まだまだ小学生だな、などと思っていると壁越しに何か音楽が聞こえてきた。
二人で話をしているときは意識もしなかったが、静かになったこの部屋の隣が雅久の部屋であることが急に気になり始めた。
子供の頃は何度も泊まったりしていたのに、心臓の音が大きく頭の中で鳴り響く。
まさか菜緒ちゃんには聞こえないだろうとは思ったけれど、私はきつく目を閉じて胸の前のクッションを強く抱き締める。必死になって静まれと自分に言い聞かせる。だけど音は益々大きくなる。
お願い、静まって、私の心臓。
どうしちゃったの、ううん、わかってる。
どのくらいそうしていたのか。
腕や肩の強張りと喉の渇きを強く感じた私は、部屋を出て一階のキッチンヘ向かうことにした。子供の頃から何度も来ているし迷うことはない。
だけどそこには独り言をつぶやく雅久が、冷蔵庫を開けて飲み物を探していた。
音楽が聞こえたから、てっきり自分の部屋にいるの思っていたのに。
私は慌てて二階へ戻るために体の向きを変えようとしたところで、バッチリと目が合ってしまった。
気まずい気持ちで顔を合わせることになったのだけど、雅久の表情で気づかされた。
カーディガンをすっかり忘れていた!
制服に皺が入るからと、貸してもらった菜緒ちゃんのパジャマヘ着替えた。胸とかお尻がやっぱりきついかな。
菜緒ちゃんが育ち盛りだから、大きめなのを新しく買ったっておばさんは仰られたけど、部屋を出る時にはカーディガンでも羽織ろう。
「やっぱりミズキちゃんには小さいよねー。それでニイニイを悩殺しちゃう?」
「もう、何言ってるの!」
勉強机の椅子の背もたれを前にして座った菜緒ちゃんの言葉に少しドキドキしながら、目の前にあったピンクのクッションを抱いてベッドの端へ腰を降ろした。
「みんなはひさしぶりだけど、ナオとは二月振りだよね」
「お願い、黙っててね」
「えー、どーしよっかなー」
得意そうに腰掛けた椅子をクルクルとさせる小学生へ、必死になって頼みこむ高一の私って何だか情けない。
菜緒ちゃんは五つ年下の小学六年生だが、美人のお母さん似なのでとてもかわいらしく、表情もコロコロと変わる。今も大きな目をにんまりと細めて、小学生らしくない笑みを浮かべる。早熟というか、かなりマセている。
そんな彼女に私は弱味を握られてしまっている。
「ミズキちゃん、ニイニイのこと実際どう思ってるの?」
「え、いきなり、何っ」
「ああ見えて、ニイニイって意外とモテるんだよ」
「へ、へー、そうなんだ」
「といってもバレンタインに家族以外からチョコを三、四個もらう程度だけど、大和くんなんかいつもうらやましがってるよ」
大和は私もよく知っている雅久と共通の幼なじみだが、彼は見るからに女の子が放っておかない整った目鼻立ちをしている。雅久よりモテているはずなのに不思議な話だとは思ったけれど、私にはそれどころではなかった。
きっとこのあたりが、菜緒ちゃんを喜ばせるているのだろうとわかりつつ、聞くことを抑えられなかった。
「その三、四コに私も入ってるよね?」
「当たり前じゃん。だってミズキちゃんのが一番大きいけど家族じゃないしー」
「……差出人が私って気づいてる?」
「わかるわけないよ! たまたまポストヘ入れるのをナオは見たから知ってるけど、ずっと送り主不明のチョコだよ? それでも首をひねりながらニイニイが食べてるのは、妹としては微妙だけど」
「よかった、捨てられてないんだ……」
「普通は怪しいから食べないと思うけど、悲しいかな、すっかりオタだからね。ミズキちゃんが、実は女の子って知ったら、ニイニイどうするかなー」
「それも気づいてないんだよね……」
チョコを食べてくれていたことはとても嬉しい。
だって捨てられていてもおかしくないのだから。
でも私が女の子と気づいてもらえていないのは結構悲しい。
今日の私はすごく気合いを入れて来たつもりだった。それこそ昨日から念入りに髪も染め直して、リボンも新調して、スカートの丈もかなり聡ずかしかったけれど頑張って詰めた。
学校からあまり文句を言われないように、わざと廃止前の制服そっくりに作って、他の制服モドキよりお目こぼしを期待して成功させたのもすべては雅久に女の子アピールをするため。
だけど、あいつ、全然っわかってくれない!!
「あのさ、ナオは小っちゃかったからくわしくは知らないけど、どうして男なんて嘘ついたの?」
「……だって女の子とは遊ばないって」
「魔法少女に目覚めてオタになる前の、かっこよかった頃のニイニイなのかなー?」
「そうだ! 雅久がオタクってどういうこと!? 魔法少女に目覚めた!? 何よそれっ」
私の知っている雅久は、絵は確かに上手だったけどオタクではなかった。
彼のお父さんの趣味の写真撮影について行くと、熱中したお父さんに放っておかれる時間が暇だから風景を描くようになった。気がつけばお父さんの写真よりも褒められるようになっていた。
これに気を良くした雅久は、熱中して描き続けどんどん上達していった。
だけどちょうどその頃に私もピアノに夢中になっていて、野球やサッカーをしている男の子たちから、二人揃って女みたいって言われたのよ。
それを嫌がった雅久は、女の子とは遊ばないって言い張って、本当に女の子と一言も口を利かなくなってしまった。
雅久は縣神社で出会った最初から『ミズキ』って名前の響きだけで、私を男の子と勘違いをしていた。
ううん、そうじゃない。私も結構お転婆だったのは認める。だけど私は雅久と遊べないのは絶対に嫌だったから、女の子とは教えなかった。そして現在に至る。
「ナオはお友達の桜ちゃんから聞いただけだけど、そのせいで中学の頃に警察にお世話になったり、空手を始めたりと、いろいろあったらしいよー」
「な、菜緒ちゃんっ、警察って何なの!?」
「話せば長いよー? でも今日はお泊りだし、大丈夫かな」
今さらながら、雅久が空手を始めた理由を聞かされた私は手で耳を覆いたくなった。
彼がオタクの道へ突き進んでいる最初の原因が私にあったことも、頭を抱えたくなった。
小さい女の子は魔法少女に憧れる。私も例外ではなかった。でも雅久のほうは、幼い私に影響されて好きになったと記憶している。
雅久が男の子の友達からからかわれるせいで女の子とは遊ばなくなり、私も女の子とあまり遊べなくなった。その不満を紛らわすのに私が魔法少女物に夢中になって、恥ずかしがる雅久も巻き込んだ。
菜緒ちゃんのおかげで、雅久のことを改めて知ることができたのはよかったけれど、私に何かできることはあるのだろうか。などと人のことを気に懸けられるほど自分に余裕がないのを忘れてはいけない。だけどやりきれない想いが胸の中をグルグルと駆け巡る。
「どれもこれも昔のことでしょう! いい加減伝えたらいいじゃない?」
「い、いまさら言えないよー」
「ママは、ミズキちゃんが自分で伝えるまで黙ってるって言うけど、パパは完全に面白がってるよ?」
「わかってるけど……無理だよ」
だって男同士の秘密だぞって、他の男の子の秘密とか片想いの初恋とか、他人には知られたくない話も多かったのだから。
やっぱりこのあたりの話が続くのは少し厳しいな。ちょっとズルいけど変えさせてもらおう。
「それより菜緒ちゃんは、誰か気になっている男のコっているの?」
「や、やだなー、いないよー」
「えー、そうなの? 本当に?」
「う、うん」
どうやらいるみたいね。
すっかりモジモジとして、さっきまでの饒舌はどこへやら。
思ったとおりマセてるわ。でも私なんか幼稚園の頃から雅久が好きなのだから人のことは言えないか。
「じゃあ、できたら教えてよね。私だけ知られてるのって、何だか不公平だし」
「それはミズキちゃんが悪いからナオは知らないー。それよりさー」
苦手な話題が終わって元気を取り戻した菜緒ちゃんは、次々と思ったことをしゃべり始めた。
頑張っているクラブの陸上のことや、二学期になって慣れてきた英語の授業。もうすぐ行ける修学旅行のことなど、たわいもない話をしているうちに寝ついてしまった。
晩ご飯も遅かったし仕方ないけど、まだまだ小学生だな、などと思っていると壁越しに何か音楽が聞こえてきた。
二人で話をしているときは意識もしなかったが、静かになったこの部屋の隣が雅久の部屋であることが急に気になり始めた。
子供の頃は何度も泊まったりしていたのに、心臓の音が大きく頭の中で鳴り響く。
まさか菜緒ちゃんには聞こえないだろうとは思ったけれど、私はきつく目を閉じて胸の前のクッションを強く抱き締める。必死になって静まれと自分に言い聞かせる。だけど音は益々大きくなる。
お願い、静まって、私の心臓。
どうしちゃったの、ううん、わかってる。
どのくらいそうしていたのか。
腕や肩の強張りと喉の渇きを強く感じた私は、部屋を出て一階のキッチンヘ向かうことにした。子供の頃から何度も来ているし迷うことはない。
だけどそこには独り言をつぶやく雅久が、冷蔵庫を開けて飲み物を探していた。
音楽が聞こえたから、てっきり自分の部屋にいるの思っていたのに。
私は慌てて二階へ戻るために体の向きを変えようとしたところで、バッチリと目が合ってしまった。
気まずい気持ちで顔を合わせることになったのだけど、雅久の表情で気づかされた。
カーディガンをすっかり忘れていた!
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