新妻はバイセクシャル

翔の家へ

次の休みの日。翔と芽衣と一緒に藤ヶ谷家を訪れていた。

「ただいま。父さんが好きな店の饅頭買ってきたからよかったら食べて。」

と翔が緊張した面持ちで玄関の扉を開けると、

「おぅ。ありがとう。おかえり。芽衣さんよく来てくれたね。体調はどうだい？」

と翔の父に尋ねられた芽衣は、

「お義父さん。ご無沙汰してます。体調は万全です。一応今は産休を取得してますが、姉のカフェの手伝いをしてます。」

と笑顔で答えた。

「そうかそうか。まぁ、、、なんだ。体に無理しない程度でな…。さぁ上がってください。」

と客間へと案内された。

「、、、父さん、、、。母さんは来るって言ってたけどどうなった？」

と翔が不安になり尋ねると、

「あぁ。母さんなら「お前たちが来るのに、先に居たら、居心地が悪くなるだろうから、、、ここが嫌な思い出としてインプットされないために、入っていい感じになったら電話してちょうだい。」と頼まれておる。すぐ近くの喫茶店にいるから呼んだらすぐ来るってさ。」

と説明を受けてホッとする翔を横目で見た芽衣は、

「お義父さん。、、、今後はお義母さまと寄りを戻すと言う考えはありますか？急にこんなこと質問してごめんなさい。それによって翔さんの心積りも違うだろうから。教えてもらえますか？」

と尋ねた。

「いやいや。芽衣さん。そんなつもりはさらさらないよ。わしはもう結婚はするつもりはないし、翔の母さんの、、、麻子さんは、再婚した旦那さんと死別して今は未亡人だが、たまに連絡を取り合う友達みたいな関係じゃよ。」

とにこやかに言う父を見て、翔は、

「じゃあ、母さん呼んでもらってもいい？母さんにも、俺の可愛い嫁見てもらいたいから。」

とにこりと笑って言う翔であった。