花詞復讐屋

七瀬蓮

文字の大きさ
上 下
144 / 179
向日葵

しおりを挟む
変わり種のたこ焼きを頬張り、


「んー?たこ焼きの中身にエビが入ってるの美味しい!これはエビ焼きかな?」


とか、


「チーズ入ったのズゴック伸びるしとろとろチーズも入ってて美味しい!」


と、はしゃぐ幼い2人を見て、



「2人とも、ケーキ後で食べるから、その分のお腹も取っておいてよー?」



と星夜は明るく言った。



2人を引き取ることは、この家に住む家族にとって必要なことだったのかもしれない。星夜のあんなに明るい顔を見るのはいつぶりだろう。


と考えながら、


「2人ともそろそろケーキ食べたくなってきたかな?」


と、蓮が訊ねると、



「ケーキ!ケーキ!食べたい!」


と言われて、



「じゃあ、星夜!ケーキ出してあげてー!それで買ってきた人特権!ケーキを切り分けてねー!」


と言われて、


「うん。じゃあ、切り分けるねー。…でも、蓮兄、いろは姉、真理亜、八重ちゃん、宏太、琴音、俺。7等分は流石に切り分けるの難しいよな…。よーし。宏太と、琴音でジャンケンして!買った方がテーブルの下に潜って、誰が食べるか決めるってのはどう?」



と言われて、2人はじゃんけんをして、宏太が勝ったので、宏太がテーブルの下に潜った。



「今俺はケーキの一切れを持ち上げてる。これは誰の?」


と尋ねると、


「んー。いろは姉ちゃん!」


「これは?」


「八重お姉ちゃん!」



「これは?」


「蓮兄ちゃん!」


「これは?」


「琴音!」


「これは?」


「星夜兄ちゃん!」



「これは?」


「真理亜お姉ちゃん!」


「これは?」


「僕!」


と言うふうに聞いていき誰がどれを食べるか決めていった。星夜は、


「宏太ありがとう!みんなが食べる大きさが決まったよ!」


と笑顔で言った。


「僕の予想どうだった?」



と言いながらテーブルの下から出てくると、大体同じぐらいに切られていたケーキを見た宏太は、


「これやる意味あった?」


と尋ねた。


「実は、これに今から、魔法をかけるよ!」


と言い、星夜は何も持っていない両手を2人の目の前に出して、


「これが宏太のケーキね。」


と言い、ケーキの上で両手を握ってパッと広げると、そこにはケーキのデコレーション用のアラザンが出てきた。


「今日は2人にとって俺らと生活を共にするって言う大切な記念日だから、2人のケーキはデコレーションしました。」


と言いケーキにアラザンをデコレーションした。


それを見て、2人は喜び、食べてさらに喜んだ。
しおりを挟む

処理中です...