花詞復讐屋

七瀬蓮

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コスモス

対面の日

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トントントン

扉を叩く音がした。花室京香様の年齢的に理亜と善に貸している店舗を案内した。

「今日は3年前の依頼者の花室京香様が来るから、2人の店舗16時くらいから貸して欲しい。」

と言い、怜都は借りたのであった。

「いらっしゃいませ。」

と扉を開けると、そこには花室京香の母がいた。

「申し訳ございませんが、お名前伺ってもよろしいですか?」

と一応確認すると、

「私は花室京香という名前で予約した京香の母の里子です。京香が、ある時期から、とても前向きになったので、何かあるのだろうと思ってました。先日京香が、他界しまして、、、京香の携帯を見たらここのメールアドレスの人とやりとりして前向きになったのが分かりました。私のスマホからメールを送ろうとしても何故かエラーになってしまったので、京香になりすましてお礼を言いに参りました。」

と言われて、怜都は驚き、

「左様でございますか。中へお入りください。」

と言い、中に招き入れた。

「娘はあなたと出会ってから、何事にも前向きになりました。私の言いなりだったのが、歯向かう元気が出てきたので、戸惑いながらも嬉しさがありました。先月、突然京香が、体調を崩して桃園先生の病院で入院して治療をしていたのですが、病気に負けてしまいました。私は…あの子はすごく頑張ったと思います。頑張って頑張って…そして限界が来たんだと思ってます。そんなあの子を…私は誇りに思います。体調を崩すまでずっと学校に笑顔で通ってました。」

と京香の話を聞いて、

「すみません。僕の中での京香さんは、とてもお強い方だったので…突然の話で受け入れられてないです。京香さんのスマホから、ここに連絡していただいてすごくありがたかったです。桃園先生とお母様に看取られて、、きっと京香さんは…安心して…逝かれたと思いますよ。」

と言うと、

「そう言っていただけるだけで…救われます。」

と言い寂しい表情だがなんだか肩の荷が降りたようなスッキリした表情で母は帰っていった。
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