花詞復讐屋

コスモス

退院の日

それから6日後、京香は、退院の日を迎えた。

「じゃあ、京香さん。これが、僕の移る先の病院の名前です。このサマリー要約って書いてある封筒を今度移った先の病院で僕に渡してね。」

と医師の桃園は白い封筒にサマリー在中と書かれたものを京香に渡した。

「はい。桃園先生。ありがとうございました。移った先の病院でもまたよろしくお願いします。」

と京香と母は、口を揃えて行った。

「じゃあ、退院おめでとう！後は看護師の梅野君。よろしく。ちょっと待合室で待っててねー！」

と言われて待合室で京香と母は、待っていると、

「先程の書類を今度違う病院で、桃園先生と会うときに渡してください。特に生活の制限はかけてはおりませんが、激しい運動や、暴飲暴食は控えてもらうようお願いします。説明は以上になります。お母様。本日はお車で帰られますか？」

と聞かれて、

「えぇ。車で帰ります。荷物が多いのを見越して、車で今日は来たので。」

と京香の母は、答えた。

「それでは、荷物も多いですし、、お車の所まで一緒にいかせていただいてもよろしいですか？」

と聞かれて、

「すみません…。ご迷惑でなければ、お願いします。」

と京香の母は言い、

3人で歩き出した。車に荷物を詰め込み、いよいよお別れという時、

「京香さん。桃園先生の事…好きなんだよね？私も好きだから、しっかり前向きに生きて、私から奪えるもんなら奪ってみなさい。」

と車に乗り込もうとした京香に言った。

「梅野さんには負けてますよ。それは、分かってるので…。」

と少し寂しそうに言う京香に、

「キスの予約までしたんですってね。それは宣戦布告よ～？まぁ、桃園先生は私にメロメロだから奪うの難しいと思うけど、、、私は真っ向から受けて立つから、奪ってみて。」

と普段はにこりとも笑わない冷淡な梅野看護師が、ニコッと優しい笑顔で言った。

「はい！いつか、桃ちゃん先生の運命の人になりますので梅野さん！覚悟してください！」

とニコッと笑って、京香は車に乗り込んだ。