花詞復讐屋

七瀬蓮

文字の大きさ
上 下
25 / 179
オキナグサ

清純な心

しおりを挟む
その日のうちに怜都が、プランを立て理亜がコンタクターとして接近することになった。コンタクターとして近づくのに理想のタイプに近づけようと、理亜は原田に似せる努力をしている時に、原田は仕事場にやってきた。
「お疲れ様です。これからお仕事ですか。」
と、原田が尋ねると
「今から榎本鈴として、前野に接近する準備をしているよ~。原田さんが取ってきてくれた情報をもとにターゲットに復讐するために種まきしてくる。」
とにこやかに理亜は話した。
そうこうしているうちに怜都と禅がやってきて
「お!今日前野への復讐はじめか。頑張ってね。」
という怜都と禅に対し、原田は不安そうな顔をしていたので、
「どうしたの?八重ちゃん?」
と禅が聞くと
「あの、今回私に出来ることは他にないですか」
と聞いてきたので、禅は
「コンタクターの仕事は夜遅くなることもあるから、施設に籍のある八重ちゃんはリサーチャーまでで十分だよ。俺らは八重ちゃんを見捨てたりしないし、この間のリサーチャ尊敬してるよ。」
といい、理亜を全員で見送った。

前野が草野球をしている場所へ向かい、
前みたくスポーツドリンクを差し入れた。前回は原田にキャップを深く被らせていたので顔はあんまり認識できないようにしていたため、すり替わっても気付かないだろう。と思っていたが、
「お久しぶり…?この間より、身長高くない?声もこの間と違うし、あれからランニングする君をみたことは一度もなかったけど?」
と深く突っ込んできた。
そこで榎本鈴になりすました理亜は
「ここの所仕事が忙しくてここに野球見にきたかったんですけど時間が合わなくて…また会えて嬉しいです。試合が終わったから時間ってありますか」
と聞くと
「時間全然あるよ。そこにあるカフェでも行く?」
と誘われたので
「はい。あ、休憩時間終わりそうですね。試合頑張ってください!ここで応援してます!」
と言い、前野を見送った。
試合が終わってから理亜は
「すごい球投げるんですね。早くて目で追うのがむずかしかったです!後試合中にこけてたみたいですけど怪我してないですか」
などと優しい言葉をかけた。すると、前野は
「あんなの全然すごくないよ。もっとすごい人いっぱいいるし!でも、そういう風に言ってくれて嬉しい。こけてココ擦りむいたけど全然平気だから」
と笑う前野に近づき理亜は絆創膏を貼った。
「擦りむいたけどだけとか言って放置したらダメですよ。これ貼らせてくださいね」
といい、前野と理亜の間に下心のない清純な関係が築かれた
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【完結】わたしの娘を返してっ!

月白ヤトヒコ
ホラー
妻と離縁した。 学生時代に一目惚れをして、自ら望んだ妻だった。 病弱だった、妹のように可愛がっていたイトコが亡くなったりと不幸なことはあったが、彼女と結婚できた。 しかし、妻は子供が生まれると、段々おかしくなって行った。 妻も娘を可愛がっていた筈なのに―――― 病弱な娘を育てるうち、育児ノイローゼになったのか、段々と娘に当たり散らすようになった。そんな妻に耐え切れず、俺は妻と別れることにした。 それから何年も経ち、妻の残した日記を読むと―――― 俺が悪かったっ!? だから、頼むからっ…… 俺の娘を返してくれっ!?

夫を愛することはやめました。

杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」    そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。  人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。  正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。  人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。  再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。  デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。  確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。 ––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––  他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。  前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。  彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。  

十年目の離婚

杉本凪咲
恋愛
結婚十年目。 夫は離婚を切り出しました。 愛人と、その子供と、一緒に暮らしたいからと。

処理中です...