猫縁

叔父さん

小春が叔母さんの家に上がり、猫の暮らす場所を叔母さん整えているうちに叔父さんが帰ってきた。

「おかえりなさい。お邪魔してます。」

とおじさんが扉を開ける音と共に、小春は玄関先までバタバタと駆けて行った。

「小春ちゃん。久しぶりだね。ただいま。しばらく見ないうちに大きくなったなぁ。」

としみじみ言う叔父さんに、

「叔父さん…。実はお話ししたいことがあります。いいですか？」

と、小春が深刻そうに言うので、

「なんだい？」

と恐る恐る聞く叔父に、

「おかえり～。小春ちゃん。あとは私から言うね。そこまで言うのよくがんばったね。」

と小春に声をかけながら玄関先に猫を抱いてやってきた叔母が、

「今日ね。小春ちゃんが、猫を助けたいって私に頼って電話かけてきてくれて。小春ちゃんの家はペット不可だし、ここの家で面倒見たいけどいいかしら。今日は猫も小春ちゃんがいた方が安心するかなって思って、お泊まりだよ。」

と小春の代わりに尋ねてくれた。

「なんだ～！猫か～！小春ちゃんが助けたいって思ったのなら、俺は、ここで面倒見るよ。動物は好きだから。…だけど、小春ちゃん。君にもこの猫を幸せにする義務があるんだよ。今から言う約束を守って欲しい。」

と猫を見た時は、パァーッと笑顔になったが、神妙な面持ちで、小春に問いかけた。

「はい。私は無責任に猫を拾って、叔母さんたちに迷惑をかけてしまったので…どんな苦労も惜しまないつもりです！」

とはっきり言う小春に、叔父は口を開けて約束を伝え出すのであった。