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第11話

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レモノ視点

 時間は、私が侯爵令息ガイスとの婚約が決まる前まで遡る。

 姉アニカは背が高く、魔法と魔力の実力が高かった。
 私も小柄だけど魔法の実力は同じぐらいのはずなのに、アニカを注目する人が多い。

 アニカと会話をすると、身長差で見下されているようになってしまう。
 あまり関わらないでほしいと伝えたけど、私達は姉妹だ。
 どうしても並んでしまう時があって――私は、周囲から嗤われているような気がしていた。

 私はランアス侯爵家のガイスから屋敷に招待されていて、姉についての悪口を話してしまう。

「お姉様がいるせいで、私の評判も落ちています」

 ガイスは私を褒めてくれて、姉のことは話さない。
 そうなると私は、次第に姉アニカの悪口を言ってしまう。
 そんな私に対して、ガイスは賛同してくれた。

「レモノ様の言う通りです。アニカ様より遥かに魅力的なのに、周囲は何も気付いていません」

 ガイスはパーティでよく声をかけてくれて、もっと長く話をしたくなったらしい。
 屋敷に招待されて話をしていると、褒められた私はガイスにならなんでも話せていた。

 そしてガイスが婚約者になりたいと話して、私も賛同する。
 ガイスを婚約者にできた私は、邪魔なアニカを排除しようと考えていた。
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