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第154話

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 ミレサは鎖でラドンと一緒に拘束されて、転移の魔法道具が使えない。
 魔力の流れを乱す効果があって、転移することができなくなっていた。

「ラドン様、この鎖を今すぐに破壊してください!」

「やっているが、何をしても壊せない!」

「そんな……」

 杭の魔法道具は、突き刺した魔物の魔力を利用して毒を強めるらしい。
 それによって、ラドンの背に刺さっていた魔剣が抜ける。
 目的が果たせないとラドンが思ってしまったことで――魔剣から得た力を、ラドンは全て失ったようだ。

「そんな……これでは俺は、ただ寿命を失っただけではないか!?」

 魔力を失ったけど、杭は抜けず鎖でラドンとミレサは拘束されている。
 今のラドンは半分魔物の状態のようだけど、力をほとんど出せないようだ。

 鎖を外すことはミレサでもできないから、ラドンは呆然としている。
 これから処刑されるのは間違いないから、寿命がどれだけ減っても関係なかった。
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