平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

第１３２話

　購入した４種類の魔法道具が、全て私の屋敷に到着した。

　ニコラスと話し合って、私の屋敷で迎え撃つ方がよさそうだと判断している。
　２種類はすぐに使える魔法道具だけど、残り２つの魔法道具は準備が必要だ。

　屋敷に来てくれたニコラスが、土の塊のような魔法道具を眺めて呟く。

「この土塊に魔力を籠めると、身代わりになる聖獣が作れる……とてつもない魔法道具です」

　店主が言うには、なくてもいいけど保健として持っていた方がいい魔法道具のようだ。
　魔物対処用の魔法道具を使う際に、攻撃を受ける可能性がある。
　それが最も危険だから、防ぐための手段は必要だと話していた。

　私とニコラスが魔力を籠めて、話し合うことで同じ動物の姿をイメージする。
　そして土塊は色がついていき――真っ白な小犬のような姿になって、生きているように動き出す。

「ゴーレムのようなものと聞きましたけど、生物にしか見えません」

　この白い小犬は私とニコラスの魔力を籠めて作り、魔力が同調しているようだ。
　魔法道具の力によって、私とニコラスが攻撃を受ける際に身代わりになるらしい。

　魔法道具で作られた小犬は可愛くて、失いたくないと想っている。
　私としては何もない方が一番いいけど、備えは必要だと考えていた。