平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

第１３１話

　私達は、魔法道具店で魔剣に対処する魔法道具を入手する。
　目的を終えたけど、ニコラスは聞きたいことがあるようだ。

「あの……どうしてここまで、とてつもない性能の魔法道具があるのですか？」

「ここの魔法道具は、俺と妻が趣味で作っているものだ」

　そう言って、店主が魔法道具店を経営している理由を話してくれる。
　どうやら店主達は、罪を捏造されて他国から追い出された優秀な魔法使いらしい。
　王家とは関わりたくないようで、目立つようになると別の国へ行くようだ。

　話を聞いた後――私とニコラスは馬車に乗って、屋敷に戻っていた。

「魔法道具の性能が高すぎるから王家が欲して、それが嫌だから他国に移住ですか」

「もしかしたら、もう会えないかもしれません……魔法道具店が移転していなかったのは、運がよかったです」

　私とニコラスは、入手した４種類の魔法道具について話し合う。
　店主は私の魔法の実力を察していたから、ここまで準備すれば問題ないと言ってくれる。
　ミレサとラドンを迎え撃つために、私達は準備を進めようとしていた。