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第110話

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ラドン視点

 対策されていたことに、俺は唖然とするしかない。
 隣のミレサは俺と違い、冷静に次の方法をとろうとしていた。

「ラドン殿下、問題ありません。屋敷にルーナが向かっていないのは、確認できています!」

「そ、そうか! ルーナがいないのなら問題ないだろう!」

 ミレサは今まで、この屋敷に誰か来ないかを魔法で調べていた。
 ルーナの姿がなかったことで、俺は安堵して話す。

「ベラがどこまで話したか知らないが、ニコラスは1人で解決したかったようだな」

「私とニコラスでは魔力の差があり過ぎます。ルーナがいない時点で私達の勝ちです!」

 ミレサが叫んで魔法を繰り出し、俺達は更に驚くこととなる。
 ニコラスは魔力で魔法を受け流し、攻撃を防いでいた。

 その姿を見て、俺はミレサに叫ぶ。

「なっっ――っ!? ミレサよ、捕らえるからといって手を抜きすぎなのではないか!?」

「そうかもしれませんけど、強すぎれば命を奪ってしまう可能性があります」

 そう言ってミレサが魔法を再び繰り出すけど、ニコラスは魔力で防いでくる。
 ニコラスは魔法を受け流すのに膨大な魔力を使っているから――数分しかもたないと、俺は考えていた。

「ミレサはこのまま、魔法を使い続ければ問題ないだろう」

「はい。あんな魔法の防ぎ方では、数分しかもちません!」

 何も問題ないと考えていた時――俺達の目の前に、ルーナが現れていた。
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