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第65話

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 ミレサの魔法を全て打ち消して、私の魔法が上だと証明した。
 先生が終了の合図を出して――ラドンが、ミレサの元に駆け寄った。

「ミレサ! 大丈夫か!!」

 ラドンが声をかけても、ミレサは返答することができていない。
 呆然としていて……虚ろな目で、私を眺めて呟く。

「そ、そんな……あれだけ今までにないほど努力したのに、ルーナに勝てない……」

 勝てると確信していたミレサは、今回の件で心が折れたらしい。
 ミレサの魔法は停学になった間の努力がよくわかり、全力で私を倒そうとしてきた。

 それでも私には敵わず、手下も信じられない状況だ。
 更に警告されているから、次に問題を起こせばラドンが何を言っても退学となる。

「……これでミレサも、諦めるでしょう」

 私は思わず、誰にも聞こえない小声で呟く。
 ミレサが絶望している姿を見て、ラドンはショックを受けている。
 これから何も起きなければ、ニコラスと普通に会うこともできそうだ。

 そう考えていたのに――ミレサは、最後の行動に出ようとしていた。
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