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第22話

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 あれから、約1カ月が経っていた。

 もう後1ヵ月と数週間後には魔方陣の魔法道具が止まり、稼働させなければいけないはず。
 そして今日は月に一度ある全生徒が集まる集会の日で……私はドリアス殿下が生徒の席にいることに安堵していた。

 仕掛けてくるのなら準備をして来月の集会で行うはずだと、私は推測している。
 ドリアス殿下は先月の集会で恥をかいたこともあり……まだ来月に機会があるのだから行動に出なくていいと考えたのでしょう。

「……ここまでは、推測通り動いていますね」

 私は思わず誰にも聞こえない小声で呟いて、ドリアス殿下に目をやる。
 思いつめた様子ではなく、思案している様子で……きっと、来月のことを考えているに違いない。

 それよりも――私としては、ドリアス殿下の首元が気になっていた。

「あの首輪は、奴隷につける物と同じ魔法道具のはず」

 先月――私は屋敷でドリアス殿下の行動を報告すると、お父様は激怒していた。
 陛下も様々な貴族の人達から魔方陣の魔法道具について聞かれた様子で、必死に対応していたようだ。

 主にドリアス殿下の戯言となったみたいだけど、信じない貴族の人には本当のことを伝えている。
 この国の核でもある魔方陣を知られたことで大事になり、 ドリアス殿下は重い処罰を受けたらしい。

 首輪のことはアルクから聞いてはいたけど――言動の制限は間違いなくされているはずだ。
 恐らく魔方陣に関しては一切口にできなくなっているけど、他に制限がかかっているのかがわからない。

 魔方陣のことを話して処罰を受けたことで……ドリアス殿下は、明らかに目立っている。

 王子なのに奴隷の首輪を着けている問題児。
 成績の低さも相まって、ドリアス殿下の評判は最低だった。
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