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第24話
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オリドス視点
俺以外の者に優しいシンディが許せず、魔法が使えないことを理由に貶めていく。
辛そうなシンディを見ているだけで今までにない高揚感を覚え、更に苦しめようと俺は婚約を破棄することにしていた。
婚約破棄の理由をシンディにすれば、更に酷い目に合わせても周囲は納得するだろう。
この時の俺は確信を持つことができて――シンディを庇うヨハンにも、同じように暴言を吐いていく。
その後すぐに――シンディが変化して、俺は後悔することとなる。
■◇■◇■◇■◇■
休日を終えて、今日は待ち望んでいた日だ。
魔法の実技試験で俺はシンディ、そして事前にクラスメイトを休ませてヨハンを痛めつける。
「シンディを焼けば、ヨハンは激昂するだろう……そのヨハンも燃やしてやる!」
先生が回復魔法で治すから、命を奪わない限りは問題ない。
魔法が使えない無力シンディは、自分のせいだと強く後悔するだろう。
その時の光景が楽しみだと考えていたのに――俺は教室で恐怖し、尻もちをついていた。
「ひっっ……!? なっ、なんだ!? 貴様は一体何をした!?」
「誰がどう見ても、オリドス様が勝手に倒れただけです」
唖然として叫ぶと、信じられない発言を聞く。
俺を見下すシンディは――休日になる前のシンディとは、別人のようだった。
俺以外の者に優しいシンディが許せず、魔法が使えないことを理由に貶めていく。
辛そうなシンディを見ているだけで今までにない高揚感を覚え、更に苦しめようと俺は婚約を破棄することにしていた。
婚約破棄の理由をシンディにすれば、更に酷い目に合わせても周囲は納得するだろう。
この時の俺は確信を持つことができて――シンディを庇うヨハンにも、同じように暴言を吐いていく。
その後すぐに――シンディが変化して、俺は後悔することとなる。
■◇■◇■◇■◇■
休日を終えて、今日は待ち望んでいた日だ。
魔法の実技試験で俺はシンディ、そして事前にクラスメイトを休ませてヨハンを痛めつける。
「シンディを焼けば、ヨハンは激昂するだろう……そのヨハンも燃やしてやる!」
先生が回復魔法で治すから、命を奪わない限りは問題ない。
魔法が使えない無力シンディは、自分のせいだと強く後悔するだろう。
その時の光景が楽しみだと考えていたのに――俺は教室で恐怖し、尻もちをついていた。
「ひっっ……!? なっ、なんだ!? 貴様は一体何をした!?」
「誰がどう見ても、オリドス様が勝手に倒れただけです」
唖然として叫ぶと、信じられない発言を聞く。
俺を見下すシンディは――休日になる前のシンディとは、別人のようだった。
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