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第20話

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 私とセインがいるオーベル侯爵家の屋敷に、ヴァンがやって来る。
 謝罪すると聞いていたから、ヴァンが頭を下げても私とセインは動揺しなかった。

 応接室で、頭を下げたヴァンが話す。

「エイダが間違っていた……サフィラの力が凄いと知って、俺は反省している。すまなかった!」

「そうですか。用件を終えたなら、ヴァン殿下は帰ってください」

 謝罪は聞いたけど、許す気はない。
 追い返そうとしたけど、私の発言にヴァンは驚愕していた。

「なっっ……!? サフィラが俺を許せば、王子である俺と婚約者に戻ることができるのに、サフィラは俺に帰れというのか!?」

「それが、今日の用件でしょう……謝られても許せませんし、リレック伯爵家に戻りたくありません。そして私は、セイン様の婚約者です」

「はぁっ!? セインよりも俺の方がいいに決まっているだろう!!」

「もう手続きも終わっています。ヴァン殿下と話すことはもうありません」

 ヴァンが取り乱すけど、私の考えが変わることはない。
 何を言われたとしても、私は絶対にリレック伯爵家に戻る気がなかった。
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