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第16話

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 私は部屋で1人になって、セインから聞いた話を思い返していた。

 王家の人達が、オーベル侯爵領を調査している。
 私がいることが知られてしまったかもしれないけど、手続きを終えているから無関係だ。

「それでも……エイダやヴァンは、何をしてきてもおかしくありません」

 どうやらエイダは、私のことを「サフィラ」から「お姉様」に呼び方を変えたらしい。
 そんなことをしても絶対にリレック伯爵家には戻らないけど、エイダは何を考えているのだろうか。

 ヴァンは国王から糾弾されているようで、私を見つけ出そうと躍起になっている。
 セインが城にいる兵士の人から聞いた話だと、ヴァンは私に謝れば許してくれるに違いないと考えているようだ。

「許すわけないじゃないですか……警戒は、しておきましょう」

 私はヴァンに呆れて、今後のことを考える。

 これからエイダ達に何を言われたとしても、私はリレック伯爵家に戻る気がない。
 そして――私達の元に、元婚約者のヴァンがやって来た。
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