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第9話

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 部屋でセインから話を聞いて、私達のいるドルグア国の惨状を知る。
 このままだとオーベル侯爵家にも、危機が迫るかもしれなかった。

 私だけが使える大地の魔力を強める魔法なら、オーベル伯爵領を強化することで何も問題ない。
 使うと寿命を減らすからセインが止めていたけど……それでも、私は使いたいと思っている。

「セイン様、私はオーベル伯爵領の魔力を、魔法で強化したいと考えています」

 私が本心を話すと、セインは思案してから言う。

「そうか……サフィラなら、そう言うかもしれないと考えていた」

「寿命が減ると言っても僅かですから、何も問題ありません」

「それなら、危機が迫った時だけ使って欲しい」

 そう言って、セインが私だけが使える特殊な魔法について話してくれる。

 伝承を調べていたようで、継続して使うと寿命を減らしてしまうらしい。
 一時的な強化なら、私の寿命が減ることはないようだ。

「私としては使って欲しくないのだが……数時間程度なら、サフィラの体に負担はかからないようだ」

「確かに寿命が減っていると感じ取ったのは、ずっと使い続けていた時だけでした」

 セインの話を聞いて、私は安堵する。
 そして……陛下の発言を思い出して、私は話す。

「そういえば陛下も、使い続けるか偶に使うか選んで欲しいと話していました」

「陛下も力について知っていたのだろう。サフィラが使い続けるなら、好都合と考えたのかもしれない」

 それなのに陛下は、エイダの活躍からヴァンの提案を聞いてしまう。
 捜索している辺り後悔していそうだけど、私は戻る気がなかった。
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