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第6話

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ラドン視点

 ルーナが魔法を使えるようになって、俺は激昂していた。

 新たな婚約者もいることから、ルーナと元の関係に戻ることはない。

 俺は取り巻き達と話を合わせて、ルーナが魔法による攻撃を行ったことにして退学させようと目論む。

 誰も俺達の元に来させるなと言っていたのに――ニコラスが現れて、俺達の行動が記録されてしまった。

 俺は逃げ去るようにして広場から去るが、学園側に処罰を言い渡されてしまう。

 ルーナが無傷だから注意で済むが……1度注意されたことで、俺は追い詰められていた。

■◇■◇■◇■◇■

 処罰を言い渡された後――俺は部屋で、新たな婚約者ミレサに事情を話す。

 ミレサは子爵令嬢で、ニコラスより優れた優秀な魔法使いだ。

 ルーナが魔法を使えないと知ってから、俺はミレサを婚約者にした方がいいと何度も思っている。

 そして俺は婚約破棄を言い渡して、すぐにミレサを新たな婚約者にしていた。

 俺は頭を下げて、ミレサに謝罪する。 

「すまない……ミレサは様子を見るべきと言ったが、動いてしまった」

 俺がルーナを魔法で攻撃することで退学させると話した時、ミレサは止めた。

 魔法が使えない日々を送っていれば勝手に退学になると言っていたが、甘いと思ってしまったのだ。

「確かに私は、ルーナ様の心を折るべきと言いましたけど――」

「――そうだ。魔法で攻撃して退学させれば、ルーナの心が折れると確信していた」

「成功すれば折れていたでしょう。私は様子見でいいと進言しましたけど、ラドン様はどうして心を折ろうと行動したのですか?」

「うっ……君との間の障害になるものは、排除しておきたかった!」

 ミレサを新たな婚約者にしたことで、ルーナは邪魔でしかない。

 言う通り様子を見ておけばよかったと、俺は後悔していた。
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