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第28話

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 全てが終わり――数ヶ月が経過して、カインが婚約者になってから約1年が経っていた。

 ウルクの家は没落して、ルアーナは家族に勘当を言い渡されたようだ。

 それでもルアーナは人を扱うことに長けているようで……数カ月という短期間で、平民から成り上がることに成功していた。

 当時からルアーナを心酔している領民が何人かいたようで、引き抜いて手駒にしたとカインが調査を報告してくれている。
 ルアーナは私達に報復する気はないようで、今までは本当にウルクの行動を愉しんでいただけのようだ。

 そしてカインが調査してくれた結果――平民となったウルクはルアーナに助けを求めたようで、利用された後に捨てられたらしい。

 ウルクはルアーナの奴隷になった結果、行方不明になったみたいだけど、生き延びている可能性は低いようだ。

「報告は以上です――これで、全て終わりました」

 部屋でカインからの報告を聞いて、私は頷く。

「そうですね……魔法学園の隠し部屋や領地の功績もあって、私達を蔑む人はいなくなりました」

「貴族に強さはいらないという認識を取り除くこともできましたし、私達は今まで通り魔法を鍛えていきましょう」

「はい。私はカイン様の婚約者になれて、本当によかったです」

 同じ魔法を鍛えたいと考えている者同士だから、一緒にいるだけで幸せだ。 

 私はカインと一緒に、これからも幸せに生きていく。
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