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第19話

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ウルク視点

 数日後、俺はルアーナの屋敷に向かっていた。

 部屋でルアーナと二人きりになり、俺は事情を話す。
 
 更にこれからの作戦を話して、ミレッサを従えたいと伝える。
 もうミレッサが有能だと知られてしまったから、傍におきたい理由はわかってくれるはずだ。

「これにはルアーナ様の、侯爵家の力が必要です……どうか、協力をお願いいたします!」

 俺は頭を下げて、必死にルアーナに頼み込む。
 
 そんな俺に対し、ルアーナが呆れながら尋ねる。

「これは2度目です……1度失敗したのに、成功すると思っているのですか?」

「はい。必ず成功させてみせます!」

「本気のようですね。貴方は私と同類――聡明そうだから好きになりかけたのに、ミレッサ様が傍にいたかららそんな気がしただけだったのですね」

 今までの明るさが嘘のような棘のあるルアーナの発言に、俺は動揺していた。

 そして――見上げると冷たい目で見下ろすルアーナの姿があり、その威圧感に恐怖する。

「ぐぅっっ……こっ、今度は失敗しません! ミレッサさえ従えれば、全てが解決するのです!」

 それでも俺は、ここで諦めたくはない。
 とにかく頼むしかないと考えていると……ルアーナが、溜息を吐いて話す。 

「まあいいでしょう。私はミレッサ様がどれだけ有能なのか調べました……彼女は手に入れたい逸材です」

 今までと雰囲気が全然違うルアーナに、俺は恐怖するしかない。

 これから俺は、ルアーナの本性を知ることとなっていた。
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