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第75話
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今までの敵とは違い、ヴァガルには打つ手がなかった。
それでもジークは諦めず、倒す方法があると私に話してくれる。
「失敗する可能性はあるが、成功すればヴァガルを倒せそうだ」
失敗する可能性があるから、言い淀んでいたようだ。
確実な方法なら苦戦する前に使っているはずだから……失敗した時のリスクもありそう。
それでも――ジークに今まで助けられてきた私は、迷わずに頷く。
「ヴァガルの強さは今までの人とは違うから、ジークの方法を試すしかないわ」
「……この方法はリオウとアミリア、そして俺が完全に心を通じなければできない」
不安そうに話すジークだけど、私は問題ないと考えている。
「私はジークのことを信じてるし、リオウも同じ気持ちよ」
本心を話すと、ジークは微笑みを浮かべて強く頷く。
「そうだな……俺も同じだ」
そう言って――ジークが走り、私が後ろを着いていく。
ジークはヴァガルの攻撃を受け止めて、私は回復魔法を使う。
「なにッ!?」
どうやらヴァガルは私達をリオウの元に近づけたくなかったようだけど、ジークが倒れずに進む。
私もジークを信じて走り――ジークに言われた通り、私達はリオウの背中に乗った。
「アミリアさんとジークは、何をするつもりですか?」
何も知らないヨハンが困惑しつつも魔法を使い、ヴァガルの足を止める。
「今、リオウはアミリアと俺の魔力を感じ取ることができているはずだ……リオウは俺達を信じ、俺とアミリアの魔力を一体化させて欲しい」
『わかりました……やってみます』
弱っているリオウは鳴き声を出して賛同すると、私の体内に膨大な魔力が流れてくる。
私達は魔力を同調させて一つになることで――聖獣が持つ真の力を、発揮することができていた。
それでもジークは諦めず、倒す方法があると私に話してくれる。
「失敗する可能性はあるが、成功すればヴァガルを倒せそうだ」
失敗する可能性があるから、言い淀んでいたようだ。
確実な方法なら苦戦する前に使っているはずだから……失敗した時のリスクもありそう。
それでも――ジークに今まで助けられてきた私は、迷わずに頷く。
「ヴァガルの強さは今までの人とは違うから、ジークの方法を試すしかないわ」
「……この方法はリオウとアミリア、そして俺が完全に心を通じなければできない」
不安そうに話すジークだけど、私は問題ないと考えている。
「私はジークのことを信じてるし、リオウも同じ気持ちよ」
本心を話すと、ジークは微笑みを浮かべて強く頷く。
「そうだな……俺も同じだ」
そう言って――ジークが走り、私が後ろを着いていく。
ジークはヴァガルの攻撃を受け止めて、私は回復魔法を使う。
「なにッ!?」
どうやらヴァガルは私達をリオウの元に近づけたくなかったようだけど、ジークが倒れずに進む。
私もジークを信じて走り――ジークに言われた通り、私達はリオウの背中に乗った。
「アミリアさんとジークは、何をするつもりですか?」
何も知らないヨハンが困惑しつつも魔法を使い、ヴァガルの足を止める。
「今、リオウはアミリアと俺の魔力を感じ取ることができているはずだ……リオウは俺達を信じ、俺とアミリアの魔力を一体化させて欲しい」
『わかりました……やってみます』
弱っているリオウは鳴き声を出して賛同すると、私の体内に膨大な魔力が流れてくる。
私達は魔力を同調させて一つになることで――聖獣が持つ真の力を、発揮することができていた。
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