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第43話

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ラミダ視点

 聖獣の専門家が力になってくれるけど、リオウは今までと同じで一切命令を聞こうとしない。

 屋敷の廊下を歩きながら、焦っている私は呟く。

「専門家なのにあそこまで役に立たないなんて……どうにかして、聖獣に命令を聞かせないと……」

 もう言い逃れることは苦しい状況になっていて、ファグト家の評価は最底辺だ。

「今までのリオウの功績から、様子見で収まっているけど……貴族達も、そろそろ限界ね」

 もうリオウを従えることは不可能だと、私は考えている。
 いつ崩壊してもおかしくない日常で、生きるだけで苦しいと感じるほどだ。

 今日はお父様に呼び出されたけど……最近はロクな内容ではない。
 気が滅入りながら部屋に入ると――お父様の発言で、私は一気に晴れやかな気分になる。

「ラミダ、アミリアが見つかったようだ」

「本当ですか!」 

 聖獣リオウを従えるよりも、アミリアの目撃情報の方が早かった。

 アミリアを捕えて脅せば、懐いているリオウはファグト家の命令に従うしかない。

 私達は聖獣の専門家を呼び出し、アミリアを捕えることを決意する。
 そして――その行動によって、最悪の事態を招くことになっていた。
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