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第37話

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 私達は平原で、捕獲隊副首領のネイーズと戦闘になっていた。

 ネイーズは腰の剣を抜いて背後の岩を一撃で粉々にして、私達と距離をとる。

 その隙を狙い、ヨハンが杖から魔法による炎をネイーズに向けて飛ばす。
 炎をネイーズは剣を振るうことで消し飛ばし、ジークの剣による攻撃を剣で弾いて話す。

「本物の大地の主が倒された理由を探ろうとしていたが、動物愛好家のジークがいるとはな」

「俺のことも知っているようだな……貴様達は絶対に許さない!」

 聖獣を捕獲する盗賊達をジークは憎み、私も倒すべき存在だと思っている。

 リオウが突進してジークがネイーズに迫り剣を振い、ヨハンが魔法で援護する。

 冒険者ギルドで最高額の懸賞金がかけられているだけあって、ネイーズは全ての攻撃を対処していた。

 それでも数の優位からネイーズは防御だけで攻撃できず、ジーク達が押している。
 私の援護は邪魔になりそうだから眺めているだけだけど……リオウとジークは明らかに疲弊していた。

 それが気になっていると、ネイーズが攻撃を剣で防ぎながら話す。

「俺の剣は、毒の力を持っていた聖獣で作られた武器だ」

 リオウとジークの動きが徐々に鈍くなっていた気がしていたけど、ネイーズの剣によるものらしい。

 息を切らしているリオウとジークを眺めて、ネイーズが笑みを強めていた。

「もう負ける気がしないから、最期に教えてやったのさ……お前達が追い詰めているように見えたが、実際に追い詰めていたのは俺の方だ」

 毒と知って――私は今まで攻撃魔法の援護はできなかったけど、回復魔法で援護できるかもしれない。

 負傷していなかったから使わなかったけど、私が皆を助ける時だ。
 私が回復魔法を使うと――リオウ、ジークが受けていた毒の効力が弱まっていく。

「なっっ……回復魔法を使えるのか!?」

 動きが元に戻ったジークとリオウの姿を見て、ネイーズは驚いている。
 私が回復魔法を扱うことは、ネイーズにとって予想外だったようだ。
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