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第18話

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 今、私の目の前には――檻がある。

 レインの協力もあって檻に到着し、私とレインはベネサと対面していた。

「看守の人達は、私の隣にいるレインの魔法で意識を失っています」

 檻の中で憔悴しているベネサに、私は話しかける。

 そして――ベネサはレインを眺めてから、私を睨んで叫ぶ。

「っっっ……そっ、そこの人が、貴方を助けたというのですか!?」

「貴方には何も話す気はないわ。最後に、この場所で貴方を見たかっただけよ」
 
 時間を戻し、レインの協力で立場が逆転した。

 処刑される日時は、私の時間が戻ってから1年後だった。

 これは前の時間通りで――処刑される人間が、私からベネサに変わっている。

「ぅぅっっ!? まだ貴方には何もしていなかったのに、どうして私を処刑しようとするのですか!?」

 あの時のベネサと違い、私は真相を話す気はなかった。

 それでも――これだけは、ベネサに言っておきたい。

「私には何もしていなかったけど、貴方は他者を魔法で操った。処刑されるのは自業自得です」

「そんなっ!? 貴方のせいで、ダーロス殿下は家を追い出されて行方不明になったのですよ!?」

「もう殿下ではありません。それも自業自得です」

 私はレインから、ダーロスの結末を聞いていた。

 ベネサの協力者だと判明したダーロスは、国王から勘当を言い渡されている。

 そして――ベネサのせいで迷惑した貴族の人は、平民になるだけでは許せなかったようだ。

 元婚約者の末路を聞いても、ベネサの協力者になったせいだと思うしかない。

 言いたいことを言った私は、レインと一緒に檻から去っていた。
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