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第32話

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 話し合いを終えて、私は部屋で1人になっている。
 今日の出来事を思い返していると、私は思わず呟く。

「シェムが何か企んでいるのは間違いありませんけど、その方法がわかっていません」

 手段がわからないから、私はシェムの不意打ちで聖女の力を奪われる可能性がある。
 そうなれば力の差が逆転して、シェムに従うしかなくなるかもしれない。
 それは最悪の事態だけど、相手が王子の婚約者だから拒むことはできなかった。

「カイン様はシェムの行動前に、聖女の力を奪う方法を必ず見つけると言っていましたけど……大丈夫でしょうか」

 聖女の力を奪う方法さえ知れば、そこから対処が可能だ。
 私が聖女の力を奪われたとしても、同じ方法で奪い返すことがきるかもしれない。
 そしてカインが調べると言ってくれたから、私は信じて待つだけだ。

 そして数日後――シェムは、私の持つ聖女の力を奪おうとしていた。
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