婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第３１話

　私はジトアから、学園内で何が起こっているのかを聞く。

　ここ最近――魔法学園内の設備に不具合が発生したり、備品の盗難が起こっているようだ。

　魔法学園の備品は貴重なのがあるからかなり厳重な警備だと聞いているけど、それでも悪事を起こせている辺り相当な魔法の腕だと思う。

「先生達は魔法で警戒しますし、何度も行えば犯人は発覚するはずです」

　先生達が警戒すれば、流石に捕まるはずだ。

　そう考えて呟くと――不安そうにしているジトアが、私に話す。

「先生達に警戒させることが目的だと、俺は推測している」

「どういうことですか？」

「悪戯程度の悪事で警戒させて、これから大きな悪事を引き起こす可能性が高い……これは、メリタがよく使っていた手段だ」

「そ、そうですか……」

　バハムスの新たな婚約者、メリタの名前が出てきたけど……メリタは、かなり危険な人のようだ。

　私に危機が迫らないように、バハムスはメリタの今までの行動も調べていた。

　そして、最近の出来事の内容から……メリタの行動だと、ジトアは推測しているようだ。

　もしかしたら――今まで問題を起こしていなかったメリタが、動くのかもしれない。