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第12話

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 屋敷に戻り、私は今日までの出来事を思い返す。

 お父様は心配性だから、私は本来の見た目について話せなかった。

 もし見た目を変化させる魔法を使っていたと知れば、私の体を気遣って止めるべきだと言っていたはず。

 バハムスの命令に背くと、お父様の立場が悪くなるかもしれない。

 その方が私は嫌だったから――お父様と、お父様に伝えそうなお母様に今まで話せなかった。

「バハムスは追い詰められていて、何をするかわからないとお父様は言っていました」

 食事の際に聞いたお父様の話を呟き、私は思案する。

 バハムスの家――ザレック公爵家は私と関りを持ちたいようだけど、婚約破棄を言い渡してきたのはバハムスの方だ。

 それを理由に私はザレック家とは関わらず、更にジトアのカデアノ公爵家と関わっていることから後悔しているらしい。

 お父様がそのことを知り、私がバハムスに何かされていないか心配していた。

「バハムスが私を敵視しているのは間違いないけど、行動は起こしていません……大丈夫のはずです」

 私は呟くけど、話を聞いて不安になってしまう。

 婚約を破棄されてよかったけど、憔悴しているバハムスは何をしてきてもおかしくはない。

 私はバハムスを警戒しつつ、ジトアと楽しい日常を送ろうと決意していた。
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