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第15話

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 マルクスは私のために、今でもアシェルを調べていたようだ。

 今までの行動から、マルクスはアシェルを警戒している。
 行動が奇妙だと考えて、マルクスは私に言う。

「どうやらアシェルは、強力な毒のナイフを入手しようとしているようです」

 そう言って、マルクスがアシェルの行動について話す。
 アシェルは王子の立場を利用して、様々な味方を作っている。
 子爵令息のトルーグを協力者にしたアシェルは、毒のナイフを探させていたようだ。

「マルクス様は、どうして知ることができたのですか?」

「アシェルは誰かと協力すると考えて、私はアシェルと親しかった人達を調べていました」

 マルクスは、アシェルがトルーグとよく関わっていたことを知って調査していく。
 モルドと違ってトルーグは忠誠心があるようだから、バレないように調べることでマルクスは知ったようだ。
 
 今回はパーティの時と違って、計画の内容がまったくわからないらしい。
 そこが気になって、私は推測を呟く。

「そのナイフで、私を斬るつもりでしょうか?」

「わかりません……毒のナイフは、明後日に学園内で渡すと聞きました。その場を取り押さえます」

 とてつもなく危険なナイフのようで、鞘には鍵がかかっているらしい。
 即座に鞘から抜いて斬りかかることはないようだから、取引をした瞬間にマルクスは捕らえたいようだ。

 どうして学園内で危険な武器を渡すのか、私達は理解できていない。
 それでも計画の日時がわかっているから、マルクスの話した通りになりそうだ。
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