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第10話

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アシェル視点
 
 時間は、エミリーに「妾になれ」と宣言する前まで遡る。
 俺はエミリーとの婚約が決まるが、その前からキアラのことが好きだった。

 エミリーよりもキアラを婚約者にしたいと、俺は考えてしまう。
 どうすればいいのか思案して、エミリーを妾にしようと俺は閃く。
 そのために協力者が必要で、まずキアラに話すことにしていた。

 俺の計画通りになれば、エミリーは俺の妾となる。
 その後キアラが俺の婚約者になれば、最高だと考えていた。
 計画を説明すると、キアラが不安そうに話す。

「罪を捏造して、エミリー様を妾にする……ですか」

「そうだ。その後に俺は、被害者のキアラと婚約者になることができるだろう!」

 俺の計画を聞いて、キアラは困惑していた。
 それでも立場の違いから、否定できないと考えたようだ。

 俺が断言すると、キアラは何度も頷いて話す。

「そ、それは素晴らしい計画ですね。私にできることならなんでもいたします!」

「ああ。俺はキアラと婚約するるためなら、どんな手も使おう!」

 キアラのためと思えば、俺はやる気が満ちていく。
 その結果――パーティ会場で、俺は全てを後悔することとなっていた。
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