68 / 72
第68話
しおりを挟む
仮面で顔が隠れたダリアが、殺意を剥き出しにして私に迫る。
平原で隠れる場所はなくて、私は魔法で対処するしかない。
暴風の魔力による攻撃を、私は魔力で盾をイメージして防ぐ。
それでもダリアの方が上で……私は吹き飛ばされてしまう。
「なんて力……本当に、ダリアなの!?」
全力の魔法で威力を抑えたから、痛みはない。
それでも後ろに吹き飛んで、迫るダリアに恐怖するしかない。
「驚いているけど、シエル如きが私に勝てるわけないのよ!!」
「ダリアの言うとおりだ。そして倒れたシエルは支配の仮面を着け、ロランを消す道具となってもらう!」
バルターがダリアの後ろで楽しそうな笑顔を浮かべて、顔が半分隠れる仮面を見せつける。
また――私はバルターに仮面を着けられて、従わされるのか。
それも今度は、愛している、恋人のロランを消すために利用するつもりのようだ。
絶対に嫌だと考えた時――私の頭の中に、対処するための魔法が閃く。
私は風の魔法を使い、それを閃いた魔法で強化するだけで――ダリアが大きく吹き飛んでいた。
「そんな――」
ダリアは咄嗟に魔力で防ごうとしたけど、私の魔法の威力が高すぎる。
吹き飛んで地面に叩きつけられたダリアは意識を失い、バルターが唖然とした声を漏らす。
「なっ……馬鹿な!?」
ロランは魔法を指輪に籠めていて、私の護身のためだと言っていた。
「まさか……シエルは、ロランの魔法が扱えるというのか!?」
マクスウェルが驚き、バルターが叫ぶ。
「マクスウェルよ! どういうことだ!?」
「ロランの魔法を扱えるようになるのは知っていた……私が誤算だったのは、シエルがその魔法を扱えたことにある!」
マクスウェルは――私がロランの魔法を使いこなせないと考えていたようだ。
「ロランは強すぎた。シエルでは不可能なのに、できると想っていたことが敗因になるはずだったのに……」
実際は違って――ずっと傍にいたからこそ、私はロランの魔法を扱うことができていた。
平原で隠れる場所はなくて、私は魔法で対処するしかない。
暴風の魔力による攻撃を、私は魔力で盾をイメージして防ぐ。
それでもダリアの方が上で……私は吹き飛ばされてしまう。
「なんて力……本当に、ダリアなの!?」
全力の魔法で威力を抑えたから、痛みはない。
それでも後ろに吹き飛んで、迫るダリアに恐怖するしかない。
「驚いているけど、シエル如きが私に勝てるわけないのよ!!」
「ダリアの言うとおりだ。そして倒れたシエルは支配の仮面を着け、ロランを消す道具となってもらう!」
バルターがダリアの後ろで楽しそうな笑顔を浮かべて、顔が半分隠れる仮面を見せつける。
また――私はバルターに仮面を着けられて、従わされるのか。
それも今度は、愛している、恋人のロランを消すために利用するつもりのようだ。
絶対に嫌だと考えた時――私の頭の中に、対処するための魔法が閃く。
私は風の魔法を使い、それを閃いた魔法で強化するだけで――ダリアが大きく吹き飛んでいた。
「そんな――」
ダリアは咄嗟に魔力で防ごうとしたけど、私の魔法の威力が高すぎる。
吹き飛んで地面に叩きつけられたダリアは意識を失い、バルターが唖然とした声を漏らす。
「なっ……馬鹿な!?」
ロランは魔法を指輪に籠めていて、私の護身のためだと言っていた。
「まさか……シエルは、ロランの魔法が扱えるというのか!?」
マクスウェルが驚き、バルターが叫ぶ。
「マクスウェルよ! どういうことだ!?」
「ロランの魔法を扱えるようになるのは知っていた……私が誤算だったのは、シエルがその魔法を扱えたことにある!」
マクスウェルは――私がロランの魔法を使いこなせないと考えていたようだ。
「ロランは強すぎた。シエルでは不可能なのに、できると想っていたことが敗因になるはずだったのに……」
実際は違って――ずっと傍にいたからこそ、私はロランの魔法を扱うことができていた。
13
お気に入りに追加
5,982
あなたにおすすめの小説
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?
鏑木 うりこ
恋愛
父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。
「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」
庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。
少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *)
HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい!
色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー!
★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!
これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい!
【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)
甘やかされて育ってきた妹に、王妃なんて務まる訳がないではありませんか。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラフェリアは、実家との折り合いが悪く、王城でメイドとして働いていた。
そんな彼女は優秀な働きが認められて、第一王子と婚約することになった。
しかしその婚約は、すぐに破談となる。
ラフェリアの妹であるメレティアが、王子を懐柔したのだ。
メレティアは次期王妃となることを喜び、ラフェリアの不幸を嘲笑っていた。
ただ、ラフェリアはわかっていた。甘やかされて育ってきたわがまま妹に、王妃という責任ある役目は務まらないということを。
その兆候は、すぐに表れた。以前にも増して横暴な振る舞いをするようになったメレティアは、様々な者達から反感を買っていたのだ。
せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから
甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。
であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。
だが、
「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」
婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。
そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。
気がつけば、セリアは全てを失っていた。
今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。
さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。
失意のどん底に陥ることになる。
ただ、そんな時だった。
セリアの目の前に、かつての親友が現れた。
大国シュリナの雄。
ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。
彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。
妹と違って無能な姉だと蔑まれてきましたが、実際は逆でした
黒木 楓
恋愛
魔力が優れていた公爵令嬢の姉妹は、どちらかが次の聖女になることが決まっていた。
新たな聖女に妹のセローナが選ばれ、私シャロンは無能な姉だと貴族や王子達に蔑まれている。
傍に私が居たからこそセローナは活躍できているも、セローナは全て自分の手柄にしていた。
私の力によるものだとバレないよう、セローナは婚約者となった王子を利用して私を貶めてくる。
その結果――私は幽閉されることとなっていた。
幽閉されて数日後、ある魔道具が完成して、それによって真実が発覚する。
セローナが聖女に相応しくないと発覚するも、聖女の力を継承したから手遅れらしい。
幽閉しておいてセローナに協力して欲しいと私に貴族達が頼み始めるけど、協力する気は一切なかった。
妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放されました。でもそれが、私を虐げていた人たちの破滅の始まりでした
水上
恋愛
「ソフィア、悪いがお前との婚約は破棄させてもらう」
子爵令嬢である私、ソフィア・ベルモントは、婚約者である子爵令息のジェイソン・フロストに婚約破棄を言い渡された。
彼の隣には、私の妹であるシルビアがいる。
彼女はジェイソンの腕に体を寄せ、勝ち誇ったような表情でこちらを見ている。
こんなこと、許されることではない。
そう思ったけれど、すでに両親は了承していた。
完全に、シルビアの味方なのだ。
しかも……。
「お前はもう用済みだ。この屋敷から出て行け」
私はお父様から追放を宣言された。
必死に食い下がるも、お父様のビンタによって、私の言葉はかき消された。
「いつまで床に這いつくばっているのよ、見苦しい」
お母様は冷たい言葉を私にかけてきた。
その目は、娘を見る目ではなかった。
「惨めね、お姉さま……」
シルビアは歪んだ笑みを浮かべて、私の方を見ていた。
そうして私は、妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放された。
途方もなく歩いていたが、そんな私に、ある人物が声を掛けてきた。
一方、私を虐げてきた人たちは、破滅へのカウントダウンがすでに始まっていることに、まだ気づいてはいなかった……。
【本編完結】はい、かしこまりました。婚約破棄了承いたします。
はゆりか
恋愛
「お前との婚約は破棄させもらう」
「破棄…ですか?マルク様が望んだ婚約だったと思いますが?」
「お前のその人形の様な態度は懲り懲りだ。俺は真実の愛に目覚めたのだ。だからこの婚約は無かったことにする」
「ああ…なるほど。わかりました」
皆が賑わう昼食時の学食。
私、カロリーナ・ミスドナはこの国の第2王子で婚約者のマルク様から婚約破棄を言い渡された。
マルク様は自分のやっている事に酔っているみたいですが、貴方がこれから経験する未来は地獄ですよ。
全くこの人は…
全て仕組まれた事だと知らずに幸せものですね。
そんなに優しいメイドが恋しいなら、どうぞ彼女の元に行ってください。私は、弟達と幸せに暮らしますので。
木山楽斗
恋愛
アルムナ・メルスードは、レバデイン王国に暮らす公爵令嬢である。
彼女は、王国の第三王子であるスルーガと婚約していた。しかし、彼は自身に仕えているメイドに思いを寄せていた。
スルーガは、ことあるごとにメイドと比較して、アルムナを罵倒してくる。そんな日々に耐えられなくなったアルムナは、彼と婚約破棄することにした。
婚約破棄したアルムナは、義弟達の誰かと婚約することになった。新しい婚約者が見つからなかったため、身内と結ばれることになったのである。
父親の計らいで、選択権はアルムナに与えられた。こうして、アルムナは弟の内誰と婚約するか、悩むことになるのだった。
※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる