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第59話

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バルター視点

 ここまで計画通りで、シエルはロランに対しての弱点になっている。

 そしてそのシエルを利用してロランを仕留めるのが、最終計画のようだ。
 部屋でマクスウェルが、俺に今までのことを話す。

「私は数千もの計画を準備していましたけど、ほとんどロランのせいで頓挫しています」

 どうしてそこまでロランを憎んでいるのか、俺は興味がないから聞いていない。
 この国に多大な損害を出そうとしてまで、マクスウェルはロランを消したかったようだ。

「シエルの仮面はその1つに過ぎませんが、ここまで計画通り進んでいるのははじめてです」

 仮面をつけさせたことも、マクスウェルの計画のような気がする。
 もう過去のことは振り返らず、俺はこれからのことを考えていた。

「もう残り3年しかない……この好機に全戦力をつぎ込み、シエルを仮面で支配します」

 どうして3年以内なのか、俺は何も聞く気はなかった。
 ロランは足止めしかできないから――ロランと親しいシエルを支配する。

 そうすればロランは何もできず、消すことができるらしい。

 ロランを倒すことは不可能だが、シエルを捕らえることは可能だ。
 必ず計画は成功すると……この時の俺は確信していた。
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