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第44話
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映像に映るマクスウェルは露骨に焦り――すぐさま全身を光らせる。
『馬鹿な――覚えておけ!!』
「転生の魔法は魔王の切札で、解析に思考を巡らせていたから俺は硬直している」
そしてマクスウェルが叫び、魔法による攻撃を仕掛けていた。
膨大な閃光の魔法がロランに迫るけど、平然と掻き消していく。
それでもマクスウェルの姿を見失って……映像が途切れていた。
「数千年劣勢になると逃げ続けているだけはあった……マクスウェルは自爆とみせかけて、全力の魔法を逃亡に使っている」
「本当にロラン様から、逃げ切ることができたのですか」
話を聞いた時は半信半疑だったけど、映像として残っている。
マクスウェルの凄さに驚いていると、ロランが話す。
「全魔力を使って閃光で視界を防ぎ、魔力をゼロにすることで感知させなくしてきた……あそこまでやられると、俺でも諦めるしかない」
更に転生の魔法の対処で硬直していたから、攻撃して動きを止めることもできなかったようだ。
マクスウェルの判断と行動の早さに驚いていると、ロランがマクスウェルについて教えてくれる。
「あの後、俺はマクスウェルについて調べた結果……モンスターの王だと知り、倒せる者は20歳になるとマクスウェルの位置がわかるらしい」
映像でマクスウェルが20歳と言っていたのは、それが理由のようだ。
そして転生できない以上……マクスウェルは、ロランを倒す以外に生きられない。
「今まで逃げ続けてきたけど、俺が20歳になれば最期だと理解できているから、なりふり構わず動きだしたようだ」
後3年足らずでで数千年生きてきた人生が終わるかもしれないのなら、必死になるに決まっている。
この国にモンスターによる異変を引き起こしているのは、マクスウェルがロランを倒すための計画でもあった。
『馬鹿な――覚えておけ!!』
「転生の魔法は魔王の切札で、解析に思考を巡らせていたから俺は硬直している」
そしてマクスウェルが叫び、魔法による攻撃を仕掛けていた。
膨大な閃光の魔法がロランに迫るけど、平然と掻き消していく。
それでもマクスウェルの姿を見失って……映像が途切れていた。
「数千年劣勢になると逃げ続けているだけはあった……マクスウェルは自爆とみせかけて、全力の魔法を逃亡に使っている」
「本当にロラン様から、逃げ切ることができたのですか」
話を聞いた時は半信半疑だったけど、映像として残っている。
マクスウェルの凄さに驚いていると、ロランが話す。
「全魔力を使って閃光で視界を防ぎ、魔力をゼロにすることで感知させなくしてきた……あそこまでやられると、俺でも諦めるしかない」
更に転生の魔法の対処で硬直していたから、攻撃して動きを止めることもできなかったようだ。
マクスウェルの判断と行動の早さに驚いていると、ロランがマクスウェルについて教えてくれる。
「あの後、俺はマクスウェルについて調べた結果……モンスターの王だと知り、倒せる者は20歳になるとマクスウェルの位置がわかるらしい」
映像でマクスウェルが20歳と言っていたのは、それが理由のようだ。
そして転生できない以上……マクスウェルは、ロランを倒す以外に生きられない。
「今まで逃げ続けてきたけど、俺が20歳になれば最期だと理解できているから、なりふり構わず動きだしたようだ」
後3年足らずでで数千年生きてきた人生が終わるかもしれないのなら、必死になるに決まっている。
この国にモンスターによる異変を引き起こしているのは、マクスウェルがロランを倒すための計画でもあった。
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