婚約者が私と婚約破棄する計画を立てたので、失踪することにしました

第１６話

　私が失踪してから、約２か月が経過していた。
　ユアン様の報告から、アイーダとミエナの家族が没落していることを知る。

「私達の予想していた通りになりましたけど、エドガーの家は無事なのですね」

「エドガーはパーティ会場で婚約破棄を宣言したというのに、ルクル様を婚約者だと言い張っているようです」

「そうですか……私としてはエドガーの家は没落しても構いませんけど、存在が発覚してしまうので伝えることができません」

　エドガーの家が没落していないのは、一応まだ私の婚約者だから残しておこうと貴族達が考えているようだ。

　その気になれば潰すこともできるようだけど……私を見つけた後の対応次第になりそうだと、ユアン様が推測を話してくれる。

「エドガーの計画、更にビノアス子爵家がルクル様を酷使していたことも判明しています……彼等が無事なのは、ルクル様の家族と一応婚約者だから、ルクル様の判断に任せたいのでしょう」

　家族の私に対する仕打ち。
　そしてエドガーの計画で失踪したのだと、私の魔法道具を使っている人達は激怒しているようだ。