何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

第７２話

ドスラ視点

　レオウが倒されてから、数日が経っている。
　俺はエルノアから頼まれて、計画の準備を進めていた。

　目の前には意識を失ったシーフェス公爵家の領主とその妻がいて、隣に拘束されたエルノアの元兄フリードがいる。
　呼び出されてリオナの魔法で倒されたことが理解できないようで、フリードが叫ぶ。

「ドスラ陛下、これはなんのつもりですか！？」
「リオナの計画に、エルノアの元家族が必要らしい。お前達はランアス国の犠牲となれ！」
「はぁっ？」
「エルノアの血族である貴方達の命を使い、私が呪魔法をかけることで従わせてみせます」

　茫然としているフリードに対して、リオナが告げる。
　エルノアの元家族の足元には魔方陣が敷かれていて、これから魔法を使い命を失うこととなっていた。

　どうやらリオナは、今まで呪魔法の準備をしていたらしい。
　血族全員の命を使うことで、遠くにいるエルノアを完全に支配することができるようだ。