何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします

第６１話

　翌日になって、私とウルクは王都に戻っていた。
　
　街の異変を解決したし、結界を張ったことを報告する必要もある。
　それでも気になることがあり、王都を歩いている私は隣にいるウルクに尋ねた。

「街に冒険者の人達が集まっていたのなら、魔力が回復するまで休んでいた方がよかったのではないでしょうか？」
「恐らく魔法組織も、同じことを考えているはず……そうなれば、他の場所を狙うはずだ」
「なるほど……他の場所ですか」

　ウルクは馬車よりも速いから、他の場所で問題が起きれば冒険者の人達より早く迎える。
　そうなると……報告を聞きウルクが動きそうな場所は、王都なのかもしれない。

「これから、王都を魔法組織が狙うとウルク様は考えているのでしょうか」
「その可能性は高い気がする。城に戻ればわかるはずだ」

　王都が見えてきて――モンスターの集団が、城門に攻撃を仕掛けている。
　ウルクの推測通りになっていたから、私達は対処するため動こうとしていた。