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第32話

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ドスラ視点

 兵士長ヒルゴを牢に入れてから、数時間が経っていた。

 リオナはヒルゴから聞きたいことがあるようで、玉座の間には俺と宰相サウスしかいない。
 エルノアを連れ戻せなかったこよりも、兵士長のヒルゴが斬りかかった方が予想外だった。

 今日の出来事を思い返し、俺はサウスに話す。

「リオナがいなければ、俺は斬られて終わっていただろう」
「はい……リオナ様は、予定より早く城へ戻られました」
「今までの発言的に、こうなることをリオナは予想していそうだ」

 ヒルゴの攻撃を防いだ後、リオナは鑑定魔法を使い調べていた。

 そこからウルクの魔法とわかったが、心に干渉して自身の行動を思い返させるだけの魔法らしい。
 俺の命令が原因だから、悪事の証拠にはならないと話していた。

「リオナ様が予想していた……予想ではなく、リオナ様がこうなるよう仕組んでいるのかもしれません」
「……なに?」
「エルノア様を追い出して活躍し、今日は陛下の命を守った。今日の出来事が広まれば、リオナ様の評判は更に上がるでしょう」

 宰相サウスの発言を聞き、ようやく俺はリオナが原因なのではないかと考える。
 今まで疑うことはなかったが、問いただす必要がありそうだ。
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