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第7話
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夕方になって――屋敷に戻ってきたカルロスは、居間の壁に板状の物質を取りつける。
魔法道具だと思うけど、気になった私は尋ねることにした。
「カルロス、それはなんですか?」
「映像を出す魔法道具だ……これで、アールド国の様子がわかる」
「えっ?」
カルロスがそんなことを言い出して、驚いている私に説明してくれる。
どうやら私がこの島に来てから、カルロスは何度もアールド国を行き来していたようだ。
「今まではミレッサの力が残っていたから平和だったが、最近は問題も起きているようだ。城に何度か侵入して、この魔法道具に映像と音声が出せるようにしている」
城に何度か侵入したカルロスは、映像と音声を目の前の黒い板に送る魔法道具を仕掛けてきたらしい。
カルロスが魔力を流して設置したから、数年間は持つようだ。
そんな魔法道具が存在していたことをはじめて知り、恐らくアールド国も知らないはず。
警戒していないのだから、設置しても気づかれることはないはずだけど……そこまでする理由がわからない。
「カルロスは、どうしてそこまでするのですか?」
唖然としながら尋ねると、カルロスが話す。
「アールド国の末路が気になった。これから国王は、ミレッサを国に戻そうとするだろう」
「はい。私もそう思います」
「アールド国の戦力ではこの島に上陸することもできないが、念のため内情を把握しておきたかった」
カルロスは私の為に準備してくれていたようで、それが嬉しい。
これから私達は、島から出ずにアールド国の現状を確認することができそうだ。
魔法道具だと思うけど、気になった私は尋ねることにした。
「カルロス、それはなんですか?」
「映像を出す魔法道具だ……これで、アールド国の様子がわかる」
「えっ?」
カルロスがそんなことを言い出して、驚いている私に説明してくれる。
どうやら私がこの島に来てから、カルロスは何度もアールド国を行き来していたようだ。
「今まではミレッサの力が残っていたから平和だったが、最近は問題も起きているようだ。城に何度か侵入して、この魔法道具に映像と音声が出せるようにしている」
城に何度か侵入したカルロスは、映像と音声を目の前の黒い板に送る魔法道具を仕掛けてきたらしい。
カルロスが魔力を流して設置したから、数年間は持つようだ。
そんな魔法道具が存在していたことをはじめて知り、恐らくアールド国も知らないはず。
警戒していないのだから、設置しても気づかれることはないはずだけど……そこまでする理由がわからない。
「カルロスは、どうしてそこまでするのですか?」
唖然としながら尋ねると、カルロスが話す。
「アールド国の末路が気になった。これから国王は、ミレッサを国に戻そうとするだろう」
「はい。私もそう思います」
「アールド国の戦力ではこの島に上陸することもできないが、念のため内情を把握しておきたかった」
カルロスは私の為に準備してくれていたようで、それが嬉しい。
これから私達は、島から出ずにアールド国の現状を確認することができそうだ。
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