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第55話

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 クノレラは全てを自白して、ラウドが犯罪者を雇っていたことが判明する。

 国王は魅了魔法に抵抗できることを知っていて、ラウドを糾弾した。
 魅了魔法で操られていたとラウドが話しても、国王は嘘だと断言する。

 ラウドが私に謝罪に来たのは、真相が判明すると処刑になると考えたからかもしれない。
 それ程のことをクノレラとラウドは行い、国王は限界がきたようだ。

 数ヶ月が経ち――ラウドは、クノレラと一緒に処刑されていた。
 私は応接室で、ザダムから報告を聞いている。
 全てが終わったから、私は気になっていたことをザダムに尋ねる。

「あの……ザダム様はどうして、クノレラの魅了魔法が効かないと確信していたのですか?」

 クノレラは小柄で可愛い少女で、異性として気になってもおかしくはない。
 ザダムは魅了魔法を受けているも、効かなかったようだ。
 理由が気になった私が尋ねると、ザダムが笑顔で返答する。

「それは私が、キャシーのことを好きだからだ」

「……えっ?」

「魔法学園に入学したら、一緒にいられる時間が増える――仲良くなって告白したいと、私は考えていた」

 入学前にラウドが強引に私と婚約したことで、ザダムは諦めるしかないと考えたようだ。
 ラウドが私との婚約を破棄したから、私の力になりたいと考えて行動してくれた。

「そうでしたか――私も、ザダム様のことが好きです」

 私はラウドと関わらなくなり、ザダムと一緒にいることができる。
 これは私が望んでいたことで――私は、今が幸せだ。
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