私を捨てて後悔したようですけど、もうあなたと関わりません

第１８話

　休日が終わり、私は魔法学園に登校する。
　ザダムと話し合った通り私は周囲の視線を気にせず、普段通りに行動していく。
　魔法学園で活躍して数日が経つと――私の噂は、成績に嫉妬しているだけだと思われているようだ。

　ザダムの言うとおりになって、むしろラウドの評判が下がっていく。
　噂が気になった生徒は婚約破棄した真相を知り、誓約書も当然の行動と納得しているようだ。
　敵視されることがなくなった私は、廊下を歩きながら小声で呟く。

「……ザダム様が言うには、それでも強情に私が悪いと考えている人がいるようです」

　数人いるようで、どうやら私が悪いと噂をした人でもあるらしい。
　全員男子生徒なことと、詳しく聞いた人はとにかく私が悪いと支離滅裂な発言をするようだ。
　それはザダムが調査して聞いたことで、理由がわからないのは不安になってしまう。

「私を敵視している人は、関わったこともないのに……どうしてでしょうか？」

　王家から慰謝料を貰ったことは、理由があっても気に入らないのだろうか。
　理由がわからず、困惑しながらも仕方ないことだと考えるようになる。

　この時の私は、クノレラが魅了魔法を使えることを知らない。
　今回の行動は――ラウドによるものではなく、クノレラが私を貶めようとしていた。