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第8話

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 授業が終わって屋敷に戻り、私は部屋で1人になっている。

 今日の出来事から、約束を破ったラウドに慰謝料を支払わせることができそうだ。
 また同じことをすれば、更に慰謝料をファリオス伯爵家は受け取ることができる。
 
 今ごろラウドは、国王に糾弾されているのかもしれない。
 そんなことを考えながら、私は今日の出来事を思い返して呟く。

「ザダム様がいてくれたから、あの場で何も起きませんでした」

 ラウドが激昂した時、私は動揺して対応できるかわからなかった。
 そんな時にザダムが来てくれて、私を助けてくれる。
 今日の件で、ラウドは私に関わろうとすることはなくなるはずだ。

「……私は、ザダム様の傍にいたいと想っています」

 ラウドを対処した後、私は食堂で午前中の授業内容をザダムに話していた。
 ザダムは笑顔で聞いてくれて、今日は昼休みが一番楽しいかったのは間違いない。

 ラウドと関わらなくてよくなってから、私はザダムのことばかり考えている。
 異性として好きだけど、ザダムの気持ちがわからない。

「……しばらくは、今のままでいいでしょう」

 これから話をして、ザダムの気持ちを知っていこう。
 私がそんなことを考えている時――ラウドは、私を捨てたことを後悔していた。
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