妹の方がいいと婚約破棄を受けた私は、辺境伯と婚約しました

第４０話

レヴォク視点

　報告を聞いて俺は父上の部屋で２人きりになり、調査結果を報告していた。
　そして――プラントモンスターのことで、言わなければならないことがある。

「父上……元婚約者シーラは魔法学園でも主席だったようです」

「それで？」

「万が一にもプラントモンスターを作ったのが知られれば、ジャカル家は終わります」

　俺は最悪の事態に備えて、父上に危機感を持って欲しかった。
　適当な理由をつけてファールア領を滅ぼすべきで、それ程までに危険だと考えている。

　ジャカル侯爵家は人造モンスターの研究を秘密裏に行い、優秀な魔法使いを雇っている。
　３人の優秀な魔法使いは犯罪者で、父上が人造モンスターを作るため雇った魔法使いだ。

　数年前に試作品ができるも、それは制御のきかない失敗作だった。
　魔法道具を使って核を発見させないよう命令を出し、埋めた領地の者達を吸収していく。

　辺境のファールア領は、実験の場所には打ってつけだった。

　そして――婚約者ソフィーから元婚約者シーラの凄さを聞いて、俺は最悪の事態を想像する。
　備えるためにジャカル領を調べ、人造モンスターの施設を知られてしまうかもしれない。

　最悪の事態を回避するため、ソフィーと婚約することでシーラを切り捨てた。
　更に家族の縁も切らせ、ファールア領に送ることでプラントモンスターの餌になると考えていたのに……シーラの強さは完全に予想外だ。

　そう考えている中……ジャカル領の主である父上は、溜息を吐いて話す。

「レヴォクは心配性だな。もしシーラが強くてプラントモンスターを対処できたとしても、自壊するようにはしている」

　証拠が出ないのなら、平和になって解決で済むはずだ。
　そして――俺は父上の話を聞いて、驚くこととなる。