妹の方がいいと婚約破棄を受けた私は、辺境伯と婚約しました

第２８話

　数日後――私はゼロア様、ワンドと共にプラントモンスター本体の元へ向かっていた。

　話し合って３人で行くべきだと提案したけど、今までで一番危険な行動だ。
　それでも私は気になっていたことがあり、それを他の人に知られたくはない。
　
　馬車の中にはゼロア様とワンドがいて、私をじっと眺めている。
　私は言うべきか悩んでいることがあって、悩みが表情に出ているようだ。

　調査をしてから話すべきだと思っていたけど、２人は私が何かを隠しているのが気になっている。
　昨日は言えなかったけど……馬車の中で、私は推測を口にする。

「ゼロア様、ワンド……これは推測なのですが、話しておきたいことがあります」

「なんでしょうか？」

「ファールア領を襲ったプラントモンスターですが……人為的に作られたモンスターかもしれません」

　魔法学園で学んだことがあり、人為的にモンスターを作ることは禁忌とされている。
　特に植物型のモンスターは完成手前まで研究されていたようで、一番作りやすいとされていた。

　核となる種さえ作れば、後は大地と生き物を吸収して成長する。
　今まで失敗しかしていないけど、魔法道具を使えば成功する可能性が高いと言われていた。

　新種のモンスターが突如現れたよりも、誰かが作った方が可能性が高い。
　それは……ファールア領を滅ぼしたい何者かが、存在していることでもあった。