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第12話

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 今までのプラントモンスターの行動から、次にツタが人々を襲うのは数週間後となるはずだ。

 発生頻度から次に行動する場所も予測できるみたいで……ひとまず、私達は屋敷に戻っている。
 私が今回ツタ経由で干渉できた核の方向を伝えて、今までの発生地点から本体の場所を予測しようとしていた。

 広い部屋で話し合っていると、ゼロア様が私を眺めて話す。

「今までは数日間ツタが人々を襲うまで待機になり、報告を聞いて動く後手の行動になっていましたが……先手を打ち被害を出さず対処できました。ありがとうございます」

 そう言って――ゼロア様が私に頭を下げたことに、私は動揺するしかない。

「どれだけ私達が先に動いても、被害が出てからでなければ対応できませんでした……被害を出さずに対処できたことは、大きな前進です」

 ワンドもそう言って、私はファールア領の力になることができたと安堵していた。
 まだ元凶のプラントモンスターを倒したわけじゃないから、気を引き締める必要がある。

「核のある方向はわかりましたし、何度か同じことをしていけば位置が絞れるはずです……」

 私は説明しながらも、気になっていることがある。
 言おうか悩んでいると、ゼロア様が私を眺めて尋ねる。

「シーラ様、何か気になることがあるのですか?」

「はい。えっと……ツタの被害はかなり出ていると聞きましたけど、ゼロア様とワンドが簡単に倒せていたのが、少し気になりました」

 ゼロア様とワンドの強さは、冒険者でもトップクラスに入れるほど強い。
 被害の割にはツタが弱かったことが気になると、ゼロア様が話してくれる。

「恐らくツタが人を取り込んでいないからでしょう……人の魂と魔力を吸収することで、ツタは一気に強力になります」

 人間が宿す全魔力、そして魔力を生み出す魂を得ることで、プラントモンスターとその一部であるツタが強化される。
 どうやら取り込んだ瞬間は急激に強くなるみたいで、規模が大きくなって更に人を襲う。

 そして強くなったツタが人々を吸収して、更に強くなっていく。
 今まではどこに現れるのかわからず、後手に回った結果苦戦していたようだ。

 それでも、私の魔法なら……ツタの場所を特定して、地面から出すことができている。
 ファールア領の為にも、私はプラントモンスターの本体を倒し、危険な辺境伯という噂を取り除こうと決意していた。
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