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第11話

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 私はファールア領、そして領主ゼロア様が危険だと言われている理由のプラントモンスターを対処するため、動こうとしていた。
 
 今までの被害からツタの発生する場所は推測できて、目的地に到着した私は大地の魔力を確認する。
 魔力の流れから大地に眠るツタの位置を把握することができて……私は、ツタを対処すべきだと提案した。

 私の提案を聞いて、ゼロア様が呟く。

「この場で戦うとなると私とワンドとシーラ様の3人ですか……私とワンドは、シーラ様を守ってみせます」

 不安にならないよう私に伝えてくれて、嬉しくなっている。
 私もゼロア様とワンドを不安にさせないよう、魔法で知っていたことを話す。

「ツタから感じ取った魔力的に、私1人でも問題なく対処できそうです」

「頼もしいですね……人を吸収していない状態だからでしょう」

「ゼロア様は一応領主なのですから、シーラ様と共に後ろに下がっていてください」

「一応領主か……わかった」

 ゼロア様は魔法を使うみたいだから防具しか着けていないようで、主に執事ワンドが前に出て戦うようだ。
 ワンドは腰の両方に細長い剣を備えていて、私とゼロア様の前に立っている。

「それでは、ツタを目覚めさせます」

「わかりました」

「いつでもどうぞ」

 ゼロア様とワンドが頷いて――私は、大地に魔力を流す。
 プラントモンスターの一部であるツタが反応したことで、核の位置を知ることができそうだ。

 そう考えていたけど――核のある方向がわかっただけで、どこにあるのかまではわからない。
 どうやら干渉されていると気づかれたからか、ツタを本体から切り離したようだ。

 それでも魔力によるものか切り離されたツタが動き、大地を抉って私達の元に迫る。
 ワンドがいつの間にか剣を抜いて切り払い、切ったツタに対して手をかざしたゼロア様が炎の魔法で焼いていく。

「……凄い」

 私はワンドの動きと、連携のとれているゼロア様、そして魔法の性能に驚いていた。

 ゼロア様の魔法はワンドに当たらないよう調整しているのに威力が高く、正確にツタを焼いていく。
 驚き声を漏らすと、ゼロア様とワンドは顔を合わせてから私を眺める。

「いえ……シーラ様の方が、凄いと思います」

「ゼロア様の言うとおりですよ。私達が襲撃を待つことしかできなかったツタの位置を、シーラ様はすぐ把握して動かした……素晴らしいです」

 そう言ってくれるけど、プラントモンスター本体の場所は方向しかわかっていない。
 核のある方向はわかったけど、肝心の位置がわかっていなかった。

 未熟だったと考えていたけど……ゼロア様とワンドは、ツタの襲撃を対処でき喜んでいた。
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