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第12話

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ザオード視点

 マリーがルドレスト子爵家から消えて、2ヵ月が経とうとしていた。

 新学期までに見つけることができれば全て解決したのに、マリーは未だに見つかっていない。
 試験の結果が悪すぎて、次の学期でも同じなら進級できず退学となる。
 魔法学園から通達がきていたから――俺は焦るしかなかった。

 部屋で1人になって、2週間の休日による成果を思い返す。
 今までマリーから教わったことは、侮っていたせいか何も思い出せない。
 新学期の結果次第では退学になるという焦りもあり、何一つ成長することはなかった。

「むしろマイナスだ……2週間を無意味にしたことで、余計に冷静でなくなっている!」

 休日は散々で、俺は叫ばずにはいられない。
 こんなことになるのなら、婚約したリシアと旅行へ行けばよかった。

 リシアもルドレスト家のために魔法を使い活動するも、マリーがいないから結果が出ていない。
 魔法が上手くいかなくなっているようで、焦りによるものだと同じ境遇の俺にはよくわかった。

「これは自分自身との戦いと、先生達は言っていたが……クソッッ!」

 今まで上手くいっていたということもあり、マリーが消えただけで酷い有様だ。
 授業や試験で結果を出すより、マリーを見つけた方がいいと考えるようになってしまう。

「マリーがいなければ、俺は終わりだ……どこにいるんだ……」

 明日から新学期がはじまるから、俺は不安になってしまう。
 そして翌日――俺は、マリーと再会することとなる。
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