婚約破棄を謝っても、許す気はありません

第３７話

　ザノークとルドノが勘当から国外追放を言い渡されて、数ヶ月が経っていた。

　今日は部屋にリックやって来て、ザノークとルドノの結末を話してくれる。

　どうやら勘当を言い渡されたルドノは、手切れ金を狙った盗賊達に消されたようだ。

　それは冒険者ギルドが盗賊団を捕えたからわかったようで――処刑が決まった盗賊の１人は、ザノークだった。

「まさかザノークが、盗賊にまで堕ちているとは思いませんでした」

「ザノークは恐らく、元貴族のルドノを狙うべきと提案したのでしょう……それが、奴が盗賊になった理由のはずです」

　ザノークは、ルドノより先に勘当と国外追放を言い渡されて自由に動けた。

　ルドノが勘当を言い渡されて、手切れ金を使う前に狙うべきだと提案したのかもしれない。

「ザノークのルドノに対する復讐は成功しましたけど、盗賊だから処刑されましたか」

「カルラ様が気にすることは何もありません……盗賊になったのですから、当然の末路です」

　リックが気遣ってくれて、私は頷く。

　ザノークが婚約破棄を謝っても許す気はなくて――私は、リックと幸せな日々を送っていた。